ウイスキー好きなら一度は訪れてみたい憧れの場所が蒸溜所。中でも、日本のウイスキーの故郷「サントリーウイスキー山崎蒸留所」は特別な存在だ。コロナ禍により2020年2月より工場見学を一時休止中だが、満を辞して1月からリモートで工場見学できる「360°フリーツアー(無料)」を、2月から「オンライン・ライブ(有料)」を開始。想像以上の体験に今、人気沸騰中なその秘密に迫る。
自宅に届くテイスティングキットにテンション爆上がり
有料のオンライン・ライブの数日前に、指定の場所に届いたのが「テイスティングキット」のボックス。シングルモルウイスキー山崎(180ml)と、山崎ロゴ入り特別テイスティンググラス、そして一部がテイスティングノートとなっている折り込み冊子。まるで、旅に出かける前のようにワクワク感に包まれる。
1923年、サントリー創業者の鳥井信治郎氏が京都郊外の山崎という地に、日本初のモルトウイスキー蒸溜所建設を着手した。ジャパニーズウイスキーのふるさとと言える場所が、山崎なのだ。また山崎は、2020年NHK大河ドラマ『麒麟がくる』の主人公・明智光秀のゆかりの地としても注目を浴びた今話題のスポットでもある。80年以上の長い年月をかけて培ってきた匠の技で、原酒の改良とブレンドを重ね、今ではジャパニーズウイスキーとして確固たる地位を築くまでに至る。
元々、1日5~6回開催されている工場見学「山崎蒸溜所ツアー」は予約が取れないほどの人気ぶりだったが、コロナ禍において、2020年2月より休止を余儀なくされた。そこで、誕生したのが「リモート蒸溜所ツアー」だ。今年から特別に、山崎蒸溜所(大阪府)と白州蒸溜所(山梨県北杜市)を2つの方法で体感できることに。
一つは「360°フリーツアー」。360°のバーチャルリアリティ技術で、山崎蒸溜所ウイスキー館、白州蒸溜所ウイスキー博物館(一部)の空間を自由に、いつでも見学できる無料のツアー。展示それぞれに詳細情報がリンクされていて、解説や動画を観て楽しめる。
もう一つは有料の「オンライン・ライブ」。ナビゲーターさんがライブ配信で蒸溜所を案内するツアーで、チャットを通じて質疑応答もできる。編集部としてはおすすめは断然こちらで、山崎蒸溜所、白州蒸溜所それぞれの製造工程を、臨場感ある360°視点映像などを通じてオンラインで見学しつつその地に思いを馳せ、ツアー後半にはシングルモルトウイスキーのテイスティングができる。
ハマる人続出!? リモート蒸溜所ツアーでウイスキーがさらにうまい
蒸溜所を見学して回りながら、山崎と白州を形作る立地や歴史、タイプの異なる発酵槽、多種多様な樽、多彩な原酒、テイスティングの方法から、その香りの表現方法に至るまで、ウイスキーにまつわるすべてを体系的に紹介してくれる。
また、ウイスキーの知識をふんだんに持つナビゲーターさんの解説がわかりやすことは言うまでもないが、エンターテインメントとしての要素も強く、あっという間の60分だ。お楽しみの最高潮とも言えるテイスティングも、ウイスキーができる工程を見て学んだからこそ、その旨さは格別。何度も味わいを確認してみたり、美味しさを言語化しようとしたり、いつもと全く違うウイスキーの楽しみ方をしている自分に驚くほど。最後には、定番のハイボールのもっとも美味しい飲み方をナビゲーターさんが伝授してくれ、後日試したが、最高の美味しさだったことはいうまでもない。
工場が再開した折には、「茶人・千利休も茶室をかまえた名水の里、山崎。南アルプスの麓、自然が満ちる広大な地、白州」と銘打つ地に、実際に足を運ぶのを次の目標にしたくなるほど、楽しいリモート蒸溜所ツアーだった。
2月からスタートしたオンライン・ライブは、2月、3月分について山崎蒸溜所、白州蒸溜所ともに完売。4月分の申し込みは3月1日10時からなので、Webサイトをチェックしてほしい。
サントリーウイスキー「リモート蒸溜所ツアー」
料金:一人あたり3000円(事前申込制)
所要時間:約60分
テイスティングキット:シングルモルウイスキー山崎(180ml)または白州(180ml)と、山崎(または白州)ロゴ入り特別テイスティンググラスの事前セミナー用ツール(非売品)を含む、送料込み(税抜き)
Webサイト:詳しくはこちら