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2019.05.30

キャプテン・マーベル「史上最強の女性キャラは意外な苦労人」【マーベル女性ヒーロー図鑑】

国籍や人種、宗教、性別を超えて、多種多様なヒーローが活躍するマーベルの世界。特に最近は、女性ヒーローの活躍が目覚ましい。そこで、この連載では映画でも活躍する人気キャラクターから知る人ぞ知るマイナーキャラまで、強くて美しいマーベルの女性ヒーローをマニアックに紹介していきます。第1回は映画『キャプテン・マーベル』『アベンジャーズ/エンドゲーム』で圧倒的なパワーを見せつけたキャプテン・マーベルです。

キャプテン・マーベル

誰もが認める最強の女性ヒーロー

世界中のマーベル・ファンサイトでは、日夜、「マーベルの最強ヒーローは誰だ」といった議論やランキング投票が行われています。男性ヒーロー部門は「問答無用、サノスで決まり」とか、「神様なんだからソーだろ」とか、「不老不死のデッドプールでしょ」という感じで意見が分かれます。でも、女性ヒーロー部門については、ほぼ満場一致で「キャプテン・マーベル」に落ち着きます。今年公開された映画『キャプテン・マーベル』や『アベンジャーズ/エンドゲーム』で、あれだけの桁違いの強さを見せられてしまったら、異論は出しにくいですね。

映画版のキャプテン・マーベルは、地球人のキャロル・ダンバースという女性がベースになっています。彼女はアメリカ空軍パイロットでしたが、爆発事故で瀕死の重傷を負い、すべての記憶を失ってしまいます。その事故の際、彼女のDNAと異星人であるクリー人のDNAが結合。彼女は超人的な肉体と超能力を手に入れ、マーベルを代表する女性ヒーロー、キャプテン・マーベルになったのです。

コミックスでも基本的な設定は同じですが、物語はもっと複雑です。スーパーヒーローになるまでの紆余曲折の人生が、事細かに描かれています。

1968年デビュー、'77年には主役に抜擢

キャロル・ダンバースの初登場は、1968年発行の『Marvel Super-Heroes』#13。その後、1977年の『Ms.Marvel』#1でクリー人が製造した装置「サイキ・マグニトロン」の爆発事故に巻き込まれ、身体の構造が遺伝子レベルで変化。半分が地球人、半分がクリー人という超人になり、「ミズ・マーベル」と名乗ってヒーローとしての活動を開始します。

『Marvel Super-Heroes』#13。

キャロル・ダンバースのデビュー作、1968年発行の『Marvel Super-Heroes』#13。

自身の名を冠したコミックで念願の本格デビューとなったわけですが、すぐにスーパーヒーローとして認知されたわけではありません。"60~"70年代のヒーローものといえば、完全な"男性社会"。キャプテン・アメリカやアイアンマンが物語の主役であり、女性は脇役扱い。日本でもヒーローものといえば、仮面ライダーやウルトラマンだった時代です。

77年に創刊した『Ms.Marvel』は全23号、約2年で終了。その後、アベンジャーズに参加し活躍するものの、他人の能力を奪う力を持つミュータントであるローグに襲われて能力を喪失してしまいます。しかし、キャロル・ダンバースはヒーローの道を諦めません。82年発行の『The Uncanny X-Men』#164で、キャロルは異星人ブルードによって再び超能力を獲得し、コズミック・パワーを操るヒーロー「バイナリー」として悪に立ち向かいます。ところが、またしても力の大部分を失い、今度は名前を「ウォーバード」と変えて、アベンジャーズに復帰します。

『Ms.Marvel』

1977年に創刊された『Ms.Marvel』誌。キャロル・ダンバースはMs.マーベルの名で活躍。スーパーパワーを手に入れる過程が描かれている。

『The Uncanny X-Men』

82年発行の『The Uncanny X-Men』#164。キャロルはコズミック・パワーを操るバイナリーになる。

アイアンマンがキャロルを救う

この一連のストーリーの中で、彼女は精神的にも苦しみます。ヒーローにとって、能力の喪失は、死にも値する耐え難い苦痛。キャロルは責任感が強いがゆえに、友人やチームメイトにも相談できずに、一時はアルコール依存症という問題を抱えました。

でも、マーベルには窮地を救ってくれる人がいます。彼女と同じくアルコールに苦しんだ経験をもつトニー・スターク(=アイアンマン)は、キャロルに救いの手を差し伸べました。トニーの力を借り、キャロルは落ち着きと安定した力を取り戻していきます。その過程でキャロルとトニーが友情を深めていく様子は、マーベルならではの素敵なエピソードです。

徐々に自信を取り戻した彼女は、再び「ミズ・マーベル」を名乗ります。2006年には『Ms. Marvel』が再創刊。この『Ms. Marvel vol. 2』は、23号で終わった前シリーズの倍以上の50号を数えます。さらにキャロルは、2007年に新たなヒーローチーム「マイティ・アベンジャーズ」のリーダーに抜擢。ワスプ、ワンダー・マン、アレス、セントリー、ブラック・ウィドウらのメンバーを率います。

能力を失ったり、記憶を失ったり、ありえないような様々な困難に見舞われながらも、その都度立ち上がる不屈の精神の持ち主であるキャロル・ダンバース。2012年、彼女はついに「キャプテン・マーベル」を襲名します。これはマーベルの伝説的な名跡のようなもの。キャロル・ダンバースはめでたく7代目のキャプテン・マーベルとなったのです。

ファン驚愕の新たな展開が

こうして振り返ってみると、今でこそマーベル史上最強の女性ヒーローとうたわれるキャプテン・マーベルも、初めからスーパーヒーローだったわけではありません。「キャロル・ダンバース→ミズ・マーベル→バイナリー→ウォーバード→ミズ・マーベル→キャプテン・マーベル」と改名を繰り返し、その都度、苦難とともに人生を積み重ねてきたのです。

波乱万丈な人生を送ってきた彼女ですが、2018年には再びファンを驚愕させる出来事がありました。新コミック『The Life of Captain Marvel』の中で、「キャロルの母親はクリー人の戦士だった」と新たな真実が明かされたのです。ということは、キャロル・ダンバースは生まれついての超人だったってこと? 世界中のファンが唖然とする新展開。これから先も、キャプテン・マーベルからは目が離せなさそうです。

『The Life of Captain Marvel』

2018年に発売された最新コミック『The Life of Captain Marvel』。知られざる過去が明かされた。

キャプテン・マーベル
本名:キャロル・スーザン・ジェーン・ダンバース
出身:アメリカ マサチューセッツ州ボストン
身長:180.3cm
体重:56.24kg
瞳:ブルー
髪:ブロンド
能力:圧倒的な力、耐久性、予知能力、飛行能力

※マーベル公式サイトはこちら

TEXT=川岸 徹

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