GOETHE

MAGAZINE &
SALON MEMBERMAGAZINE &
SALON MEMBER
仕事が楽しければ
人生も愉しい

ENTERTAINMENT

2016.05.24

『レヴェナント:蘇えりし者』~滝藤賢一の映画独り語り座16

前回、僕は『ルーム』の紹介をこう締め括りました。「今後、これほどの衝撃を受ける作品に出会えるだろうか?」と。その舌の根も乾かぬうちに、また衝撃作に巡り合ってしまった。それが『レヴェナント:蘇えりし者』です。

今月の1本 『レヴェナント:蘇えりし者』

takitoh
内臓にドスンと響く、重量級の衝撃作
この映画、レオナルド・ディカプリオの存在が、演技の領域を遥かに超えていることに尽きます。脳内に大量のアドレナリンが放出され、人間が本来持ちうる以上の潜在能力を解き放つ瞬間をまざまざと見せつけられる。本来、眠っている本能を刺激され続ける怒濤の2時間37分。”うおっ!マジかっ!”と仰(の)け反(ぞ)ること数え切れず。

ディカプリオが演じるのは実在の罠猟師、ヒュー・グラス。先住民の襲撃をうけ、クマに襲われ、瀕死の状態のなか、仲間に裏切られ目の前で息子を殺される。何でだろう……悲惨なことしか起きやしない。酷寒の森林に身ひとつで置き去りにされてからは、もう圧巻の独り芝居。川魚や獣の生肉に食らいつく場面では、実際に食べて感染症にかかってしまったというから凄まじい。いや、役者馬鹿なのか……。僕だって役者ですから、やれと言われたら……やらないなぁ。丁重にお断りさせていただきます(笑)。

生きることに執着するディカプリオの剥きだしの有り様は、観てはいけないものを観ている感覚で恐ろしいですが、逆に目が離せません。

ストーリーは単調なはずなのに、壮大なロケーションでまったく飽きさせない。どうやって撮影したのかと感心しきりのカメラワークは、自分が体験しているかのような錯覚に陥ってしまう。人工照明をいっさい使わず、太陽光と火だけで撮影したそう。何て、我慢強いんだ。

ヒューを見捨てる、ハンター役のトム・ハーディのクソ野郎っぷりもたまらないですが、多くを語らない先住民の存在が本当に素晴らしい! まさにオスカーにふさわしい、ディカプリオの底力とイニャリトゥ監督の挑戦が内臓にドスンと響く、衝撃作といえます。

takitoh

(C)2016 Twentieth Century Fox

『レヴェナント:蘇えりし者』
2015年/アメリカ
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
出演:レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ ドナルド・グリーソン ほか
配給:20世紀フォックス映画 
全国公開中

Kenichi Takitoh
俳優。1976年愛知県生まれ。火曜ドラマ『重版出来!』(TBS)が放送中。4月29日より『テラフォーマーズ』、5月7日より『64-ロクヨン-前編』と公開作がたて続く。

*本記事の内容は16年4月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)

COMPOSITION=金原由佳

PICK UP

STORY

MAGAZINE

1月号 Now on sale

キーワードは隠れ家!? 新しい時代の邸宅特集/表紙 近藤真彦

2021年1月号

最新号を見る

定期購読はこちら

MAGAZINE

1月号 Now on sale

キーワードは隠れ家!? 新しい時代の邸宅特集/表紙 近藤真彦

11月25日発売の「ゲーテ1月号」は新しい時代の邸宅特集! そのほか「仕事に効く”個性派”高級ウォッチ」や「賢者8人が選ぶ!秘蔵ワインリスト」も必見!

最新号を購入する

電子版も発売中!

定期購読はこちら

SALON MEMBER

会員登録をすると、エクスクルーシブなイベントの数々や、スペシャルなプレゼント情報へアクセスが可能に。会員の皆様に、非日常な体験ができる機会をご提供します。

Salon Memberになる