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ENTERTAINMENT

2016.04.24

『ルーム』滝藤賢一の映画独り語り座15

当てました!と2年連続で自慢するつもりでしたが、アカデミー賞主演男優賞は前号で大プッシュしたエディ・レッドメインではなく、レオナルド・ディカプリオが獲りましたね。そして、今回紹介する『ルーム』からは、ブリー・ラーソンが主演女優賞に輝きました。前回は書きませんでしたが、僕も獲ると思っていましたよ、ブリー・ラーソンが!(笑)

今月の1本 『ルーム』

room

息が苦しくなる、二度とは観たくない!? 大傑作

さて、映画でこんなに興奮したのは、いつ以来でしょうか。衝撃的すぎて、呼吸するのを忘れてしまうほど。映画から溢れでる力が凄まじい! 前情報なしに観ていただきたいのが本音ですが、そうもいかないので、少し触れさせていただきます。

始まってしばらくの間、母と幼い子の日常が映される。何処か異様な空気。狭い部屋の中でご飯を作り、ふたりで小さなベッドで眠り、その部屋で運動もする。腰まである長い髪の毛の子供は、女の子か男の子かすらわからない。けれど、徐々にわかってくる。あれ? この親子、外に出ることができない? え? 監禁されている? 状況を理解した瞬間、背筋を冷汗が流れる感覚に陥りました。

脱出するまで、先の読めない怒濤の展開。さまざまな試練が恐ろしいスピードで襲ってきて、身体中に力が入り、全身筋肉痛間違いなし。この手の映画は「脱出できるか、どうか」が山場だと思っていました。でも、もっと衝撃的なのは、この後の展開なんです。人間の本質をえぐられ、”やめてくれ!”と叫びたくなる。数々の現実を突きつけられ崩壊していく母親の姿は、もう見るに堪えない。

母親は助けられた後、実家へ戻るけど、監禁された当時の少女の精神状態に戻ってしまう。その時のブリー・ラーソンの表情の変化は圧巻でした。面白い脚本こそ、役者にとってたくさんの選択肢がある。役者泣かせではありますが、こんな幸せなことはないと思います。 

今後、私はこれほどの衝撃を受ける作品に出会えるだろうか? とはいえ、もう一度観る勇気は……ない。
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『ルーム』
2015年/アイルランド・カナダ
監督:レニー・アブラハムソン
出演:ブリー・ラーソン、ジェイコブ・トレンブレイ、ジョアン・アレン ほか
配給:ギャガ
4月8日よりTOHO シネマズ 新宿ほか全国順次公開

Kenichi Takitoh
俳優。1976年愛知県生まれ。ドラマ『神奈川県厚木市 ランドリー茅ヶ崎』(MBS・TBS)が放送中。4月からはドラマ『重版出来!』(TBS)も放送開始。公開待機作多数。

*本記事の内容は16年3月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)

COMPOSITION=金原由佳

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