ビジネスの最前線で闘うリーダーやスペシャルな人の傍らには、仕事に活力を与え、心身を癒やす、大切な愛用品の存在がある。それらは、単なる嗜好品にとどまらず、新たなアイデアの源となり、自らを次のステージへと引き上げてくれる、最強の相棒=Buddyでもあるのだ。今回紹介するのは、アースホールディングスで取締役を務める日髙邦昌氏の相棒のクルマ。特集「最強の相棒」
部下を導くツールであり、自分を高める相棒でもある
店舗数日本一を誇る美容室チェーン「EARTH」を展開するアースホールディングスで、取締役を務める日髙邦昌氏にとって、2ヵ月前に納車されたF8スパイダーは2台目のフェラーリ。このクルマにふれる前に、最初に手にしたフェラーリを紹介する必要がある。19年前、日髙氏は同社代表である國分利治氏より、フェラーリ360スパイダーを譲り受けた。
「國分は自分が乗っていたフェラーリを部下に譲り渡しているのですが、最初にフェラーリを譲られたのが僕だったんです。納車された日の感動は今でも覚えていますね。喜びとともに、もっと頑張ろうとも感じました。だからフェラーリは、導くツールになります。あれに乗れる人になりたい、と」
ただし、乗るだけでは意味がない、とも感じたという。
「フェラーリってよくも悪くも、所有者の人となりが出ると思うんです。乗っている人がきちんとしていないと、見る人に悪い印象を与える。それに、あいつ、フェラーリに乗ってるけど最近は下火らしいよ、とならないようにしなければいけない。フェラーリに乗ることが周囲に大きな影響を及ぼすことを、19年間感じてきました」
つまり日髙氏にとってフェラーリとは、後進を引き上げるツールであると同時に、自分を高めてくれる相棒でもある。
創業者が右だと言えば、僕は必ず左だと言う
2台目のフェラーリを購入するまでの間に、日髙氏は他のモデルも薦められている。
「でも、絶対にF8の新型モデルまで待とうと決めていました」と、日髙氏がF8というモデルにこだわるのには理由がある。F8は、フェラーリの歴代V8エンジン搭載モデルの集大成という位置づけなのだ。
「V8エンジンは、思ったとおりの素晴らしい仕上がりでした」
一番気に入っているところはスタイリングだと即答する。
「エンジンだけではなくて、形も今までのV8モデルの“いいとこ取り”をしていますから」
美容師時代は、全国で当時の月間最高売上を記録し、経営者となった今は10名のフランチャイズオーナーを育て、グループ全体で30店舗を展開。成功の秘訣を、どう考えているか。
「思いついたことはすべて実行するようにしています。あと、創業者である國分は尊敬する人物ですが、彼が右と言うとみんなが右を向いてしまう。だから僕は、必ず左と言うようにしています。扱いにくくありませんか、と聞いたら、扱いづらいと言われましたけれど(笑)」
イエスマンでないからこそ國分氏は日髙氏を信頼し、フェラーリを譲ったのではないか。
シート形状やレザーのステッチまでフルオーダーし、納車まで2年も待ったフェラーリF8スパイダーに憧れて、次代を担う経営者がまた育つはずだ。
アースホールディングス取締役役員 日髙邦昌
1970年生まれ。’91年、美容師としてのキャリアをスタート。’99年からフランチャイズシステムを導入したアースホールディングスに入社、2003年にフランチャイズのオーナーとなる。現在、30店舗を展開。