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2021.08.29

ランボルギーニのスーパーSUV、ウルスに乗らない理由がない!

現行ラインナップ第3のモデルとして登場したスーパーカーならぬ“スーパーSUV”がウルス。ランボルギーニではSSUV(スーパー・スポーツ・ユーティリティ・ヴィークル)と位置づけ、「ランボルギーニのDNAを感じさせるダイナミックなスーパースポーツカーのデザインを備えたモデル」としている。生産台数が発表から約2年で1万台を達成し、ランボルギーニ全体の6割を占めるほどの人気。連載【NAVIGOETHE】Vol.60

Lamborghini Urus

福島県・磐梯吾妻スカイラインを疾走するウルス。大迫力エグゾーストサウンドが連なる山々にこだまする。その好戦的意匠は、遠くにいても迫力満点で、艶やかな「パールカプセル」カラーが大自然のパノラマビューにも負けない存在感を見せつける。Lamborghini Urus ¥30,681,070~

猛牛を生み出す野生牛

ーーランボルギーニジャパンが主催したウルスによる日本縦断ツアー。その名も「UNLOCK ANY ROAD(あらゆる道を解き放て)」。自動車ジャーナリストや媒体関係者が同社初のスーパーSUV、ウルスを駆って約1ヵ月、リレー方式で九州から北海道まで主要都市の全国縦断を行った。その一端を担うべく仙台〜福島〜宇都宮を鮮やかなイエローをまとった「パールカプセル」の闘牛とともに走破した。

コーナリングマシン

【コーナリングマシン】3m超えというホイールベースを忘れさせる敏捷性も見事! その体軀からは想像もできないほどクイックで驚異の小回り性が実現されているのもまたウルスならでは。タイトコーナーの連続も得意。その身のこなしはまるで“背が高いだけのスーパーカー”なのだ。

出発当日は雨の降りしきるなかでの初対面だったが、エッジの利いた直線と六角形からなるヘキサゴンの造形で武装したウルスはとにかく目をひく。鮮やかなイエローも然りだ。乗る前からドライバーを挑発するスタイリングは遊び心を持つ男にはたまらない。ドアを開いてコクピットへと身を委ねてもなお、期待を裏切らない。赤いフラップカバーをあげ、エンジン始動ボタンを押す。と同時にV8エグゾーストの鼓動と低音による雄叫びがドライバーを牽制する。この儀式はまるで戦闘機のパイロット。ワクワクが止まらない。

仙台市街を流すと、体軀の大きさはまるで気にならないことに気づく。着座位置は高く、視界が広いから車両感覚はすぐに慣れる。しかも乗り心地は終始フラットライドで快適。ふいのギャップの突き上げは気になるものの、ファットな23インチの大径シューズながらも快適性が実現されている。普通に走ればエンジン音も静かなくらいだ。

2基のターボチャージャー

2基のターボチャージャーが与えられた4ℓV8は、8速ATと4WDシステムを介して出力&トルクは650CV/850Nmを発生。車重2000kg超にもかかわらず、0→100km/h加速は3.6秒という俊足ぶり。

途中、偶然居合わせた背の低い闘牛、アヴェンタドールと互いに不思議な連帯感を持って同じ高速道路を並走した。代々闘牛にまつわる伝説的ネーミングが与えられたランボルギーニにとって「ウルス」とはーー。英語圏ではウルス=オーロックス。つまり、飼いならされた現在の家畜牛の祖先にあたる野生牛を指す。その血統には歴代ランボルギーニが名を借りてきた闘牛たちも連なる。そう、ウルスはグレートマザーたる存在なのだ。

世界的なスタイリッシュなSUV人気が高まるなか、スーパーカーブランドを標榜するランボルギーニでさえ、その市場を無視することはできなかった。実はSUVをつくるのは初めてではない。ミリタリービークルとして開発された「LM002」というスーパーオフローダーの存在もあった。「カウンタック」から譲り受けたV12エンジンを搭載した幻のモンスターマシンだったが、軍用車として採用されることはなかった。そんな怪物ぶりからすれば、このウルスはピースフルに見える。

ANIMA

「ANIMA(魂)」と名づけられたランボルギーニらしいドライブモード。最大6つの走行モードがセレクト可能で、このうち悪路走破性を高めた「TERRA(オフロード)」と「SABBIA(砂漠)」の2モードは有償設定となる。

しかし、それはウルスの平時の顔。ランボルギーニはドライバーをどのように楽しませるか? をよく知っている。「ANIMA(魂)」と名づけられたドライブモードでいちばんスポーティな「CORSA」にすると戦闘モードに。ひとたびアクセルを煽るとエンジン回転数が上がり、驚くほどの爆音を伴なって鋭い加速と変速スピードで身体が背もたれへと押しつけられる。スリリングだ。コーナリング中のロール量は小さくないが、さながらスーパーカーのような身のこなし。裏磐梯のタイトなつづら折りを軽妙なフットワークと低音の利いた雄叫びをあげ走りぬけるのだ。

強靭なパワートレーンには同社初の4ℓV8ツインターボ+8速AT+フルタイム4WDを組み合わせる。その最高出力は650馬力。0→100㎞/hを3.6秒で駆けぬけ、最高速度は305㎞/hにも達する。その動力性能はまさに“背が高いだけのスーパーカー”だ。事実、海外のサーキットによっては名だたるスーパーカーを上回るラップタイムを記録。ランボルギーニ自身も「ウルスはウラカンより速く走れる」と明言しているほど、4つのタイヤへのトルクマネジメントが秀逸なのである。

水平基調のコクピット

水平基調のコクピット。ACC(前走車追従型クルーズコントロール)はもちろん、夜間のハイビーム操作を自動でアシストする安全&快適機能も充実。

正直に言うとこんなに官能的で楽しいSUVにいまだかつて出合ったことがない。平日はビジネスエキスプレスとして、週末は家族とスーパーカー気分を味わえる。常識を覆す新たな存在、ウルス。贔屓目に見ても乗らない理由が見つからない。

 

ランボルギーニウルス“パールカプセル”

ランボルギーニ ウルス “パールカプセル”
ボディサイズ:全長5112×全幅2016×全高1638mm
ホイールベース:3003mm
エンジン:V型8気筒+ツインターボ
排気:3996cc
最高出力:650CV/6000rpm
最大トルク:850Nm/2250-4500rpm
駆動方式:AWD
変速機:8DCT
乗車定員:4~5名
車両価格:¥30,681,070~

 

問い合わせ
ランボルギーニカスタマーセンター TEL:0120-988-889

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TEXT=ダニエル利樹

PHOTOGRAPH=ツカハラタカアキ

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