ビジネスパーソンにとって、美容とは相手に与える印象を左右し、仕事の結果をも変え得る重要な要素だ。日仏を行き来しながら美容の最前線を知る女医が勧める美容法とは? 【シン・男の流儀】
目指すのは成熟した深みのある男性
医者の両親の元に生まれ育ち、進むべくして医学の道に進んだ岩本麻奈先生。20年にわたるフランス生活を経験したことで、ハーブやメディカルアロマなどの民間療法にも精通。現在はグランプロクリニック銀座をはじめ、さまざまなクリニックで、美容皮膚科、再生医療、抗老化内科などの診療を行い、予防医学にも力を注ぐ。
「フランスで男性に対する最高の褒め言葉は〝エレガント〞。同じ歳を重ねるでも〝老いる〞のではなく〝成熟する〞ことが大事。いわばヴィンテージワインのような深みのある男性ですね。だから美容も流行に振り回されることなく、オーセンティックな美容や健康法で、男の美しさを追求してほしいと思います」
大切なのは〝清潔感〞相手への印象も決まる
「人間の回復力はすごい。ですから、まずは上質な睡眠を取ることから始めてほしいです。睡眠に悩みを持つビジネスパーソンは少なくありません。いかにオンとオフを切り替え、副交感神経を優位にして、睡眠の質を高めるかがポイント。睡眠はストレスを軽減し、美や健康の基礎をつくるものです。身体の修復を促す成長因子も、入眠してからの90分に最も出るものなんです」
また男の肌管理について岩本先生は、医師の手も借りた抗老化による肌の補修を提案する。
「皮膚は臓器の一部。しかも肌は他人との大切な境界です。男性の肌の保湿力は女性の約半分しかないといわれています。それなのに無頓着な人がほとんど。でも実はそういう肌ほど美容効果が出やすいんです。家では最低限の保湿と紫外線から肌を守る日焼け止めといったシンプルケアで十分。でも時折、レーザーをはじめとした美容医療のスペシャルな施術で、賢く美を磨いてほしいですね」
特に老けた印象を与えるシミや、しぶといニキビ跡などは最新機器で潔く治してしまおう。
さらにエレガントな男と称されるためには、体臭・口臭など見えない部分への配慮も必要だ。
「腸内環境の改善や口腔内のケアも大切。デリケートゾーンのメンテナンスもきちんと行い、清潔感を保つことが重要です」
世界の美容を見てきた女医ならではの視野の広いアドバイス。実践するかしないかでエイジング、成熟具合が確実に変わってくる。
美容の流儀
1. 上質な睡眠で美しさの基盤を築く
2. 美肌を目指すなら抗老化に投資
3. 身体やパーツを磨き清潔感を保つ
グランプロクリニック銀座 理事長
岩本麻奈
皮膚科専門医。日本コスメティック協会名誉理事長。東京女子医科大学卒業。慶應病院などで臨床経験を積んだ後、1997年に渡仏。グランプロクリニック銀座とナチュラルハーモニークリニック表参道で「睡眠美容外来」を創設。
