六本木に「メンズ専用の眉毛サロン」ができた。眉毛で印象が変わるのはなんとなく理解しているけれど、実際どのように変わるのだろうか?メンズ美容の取材を続けているゲーテ前編集長、二本柳が施術を担当するSUZUさんのもとへ向かった。
40歳を超えたあたりからだろうか、眉毛に5本くらい、知らぬ間に長〜くなってしまう要注意な眉毛があった。たまに思い出した時には、鏡で確認し、その眉毛を毛抜きで抜いていた。年齢を重ねると、ホルモンの関係から長さがバラバラになってしまうのだろう。
わたし自身、眉毛が濃いわけではなく、どちらかといえば薄いほうだったので、あまり眉毛については深く考えてこなかった。濃くしてキリリとさせたいという願望も特になかった。とはいえ、眉尻のほうの毛がパラパラしていて、かつ斜め上に跳ね上がっていたのが少し気になってはいた。
店名は「of men」。場所は港区六本木。住所は予約が完了したら、教えてくれるのだが、かなり行きやすい一等地にある。インターホンを押すと、なかからSUZUさんが出迎えてくれる。マンションの一室で、真っ白な内装のプライベート空間。日当たりも良く、気がいい場所だった。
さっそくカウンセリングがスタート。眉毛に関する悩みは何か? 人からどんなふうに見られたいか? など、こちら側の考えを伝えると、SUZUさんが眉毛のイラストシートを見せてくれた。「どういうイメージですか?」と、聞かれたのだけれど、正直どれがいいのかわからないから「キリッとした感じにしてほしいです。お任せしていいですか?」と、SUZUさんに丸投げ。
横になり、濡らしながら眉毛を寝かせていく。「いまからパーマをかけます」。へ? パーマ。「はい、ストレートパーマです」。眉毛を温かく蒸らした後、パーマ用の液体を眉毛に馴染ませ、そのまま数分待つと、縦横無尽に跳ねていた眉毛が綺麗に流れていた。
次は、顔にマーキング。その人の顔のサイズに合わせて、一番相応しい眉毛の設計図を作るのだ。
「マッピングといいます。お顔に対する黄金比を測り、理想の形と照らし合わせていきます。この顔につけたマーキングに合わせて、産毛をブラジリアンワックスで取っていきます。眉毛の下部分もしっかり生えているので、こちらも抜いていきます」と言いながら、器用に産毛を抜いていく。「抜けやすい毛質で助かります♪」とSUZUさん。
そのあとはシートから起き上がり、SUZUさんの最終チェック! 数本、毛抜きで抜いて、完成した。自分で鏡を見てびっくり。人生史上最もキリッとした美しい眉毛が完成した。やや濃くなったように感じたが、これは「ばらつきを整えると一本一本が正面から見えるため」だとSUZUさんは解説してくれた。
経営者や政治家など、眉毛で損をしている人はとても多いと思う。眉毛でここまで清潔感があがるという事実を知る人は少ない。「眉毛、整えてまっせ!」という力が入り過ぎる仕上がりだと、すこし気恥ずかしさもあるけれど、SUZUさんの仕上げはごくごく自然だった。