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ART

2023.03.23

賢くアートを買うための、8つの“深”常識

アート初心者も、コレクターも、実は知っているようで知らないアート業界の常識。美術ライター川岸徹氏が賢いアートとの付き合い方を指南! 【特集 アート2023】

アートの買い方“深”常識8選

1.アートフェアは人脈づくりの最重要拠点

全国各地のギャラリーが一堂に会し、多彩な作品が並ぶアートフェア。初心者にとってアートフェアは、自分の好みを探る絶好の機会だ。では、上級者はアートフェアに注目していないのかといえば、決してそんなことはない。会場には有名ギャラリストやアーティストが集結。アートフェアは彼らと人脈を築く大チャンスなのだ。

「フェアを機にお気に入りのアーティストと交流が始まり、作品の制作を直接お願いすることができた」「著名なコレクターと知り合い、情報の交換を行うようになった」という話も耳にする。「アートフェアを軽く見るな」が鉄則だ。

2.成功する者ほど、目利きの力を借りている

「よし、アート作品を1点買ってみようじゃないか」。そう意気込んでアートフェアやギャラリーに出かけてみたものの、どれを選べばいいのかわからない。結局、何も買えなかったという話を聞く。時の権力者たちは、目利きの力を大切にしていた。豊臣秀吉が千利休を重用(ちょうよう)したように、成功者は美術品を選ぶアドバイザーを抱えているものだ。

作品を購入する際に、他者に任せるのは恥ずかしいことではない。むしろ自分の好みに合った作品を入手できる可能性が高まるといえる。例えばANDARTのコンシェルジュサービスなども、賢く活用してはいかがだろう。

3.“SNSやりません”は後悔先に立たず!

「実物を自分の目で確かめてからでないと、買う気がしない」、その気持ちはよくわかる。だが、SNSを否定してしまっては、せっかくの機会を逃すことになってしまう。現代はオンラインでのアート作品の売買が当たり前になりつつある時代。有名ギャラリーがオンラインギャラリーを開設し、サイト上で売買を行っているケースも目立つ。

海外のギャラリーが取り扱う作品も、オンラインなら気軽に購入することができる。アートの購入は、タイミングと思い切りが大切。迷っているうちにSold Outになってしまったなんてことも。後悔は先に立たず。

4.アートに投資するなら、まず価値が決まったものを選ぶ

「まだ相場が高くない若手のアーティストで、これから値上がりしそうな作品を教えてほしい」など、投資として作品を購入する場合、利益を期待したくなる。だが、そんなうまい話が転がっているわけがない。儲かることが確実であれば、人に売らずに自分で買うだろう。

作品を転売するだけで利益が出た“バブル”という時代もあった。だが、今は違う。価格が上がるか下がるかは運の要素もあり、才能があるからといって売れるとも限らない。資産形成が目的で大きな損をしたくないなら、例えば印象派やウォーホルといった価値が決まった作品を購入すべきだ。

5.展覧会情報にこそ金脈が眠っている

購入した作品がわずか数年で倍以上の価格になった。そんなケースはレアだが、存在することは確か。値が上がる作品を摑むためには、何といっても情報収集が欠かせない。特に美術館の展覧会情報には、金脈といえるほどの価値がある。展覧会を機に知名度が上がり、価格が急騰することが多いからだ。

美術館のサイトに掲載されている年間スケジュールをチェックしたり、アート専門のニュースサイトを購読したりしながら、ブレイクしそうなアーティストを見つけだす。先見の明を持つなら、まずは展覧会情報という基本の“キ”を大切にしたい。

6.オークションでコールを続けるマネーゲームはNG

「史上最高額で落札」とニュースになることも多いオークションでのアート売買。とはいえ、その落札額が適正な価格であるかどうかの判断は難しい。例えばオークション会場に、作品を何が何でも入手したいと願うコレクターがふたりいるとする。お互いどちらも譲らずにビッドを上げ続ければ、落札額は予想を大きく上回るものになるだろう。

オークションには、マネーゲームという一面もある。場の雰囲気に流されて、コールを続けるのはNG。一歩引いて見るくらいの冷静さが必要だ。経験値を高めるためにも、まずは自分の身の丈に合ったオークションに参加したい。

7.美味しいレストランはアートも美味しい!?

ギャラリーは入りにくいと感じている人も多いだろう。確かにひと昔前は、“扉を開くのに勇気がいるギャラリー”も多かった。だが、状況は変わりつつある。2022年12月、大林グループは大阪市で運営する老舗フレンチ店「ルポンドシエル」が移転・刷新したのに合わせ、新店舗にはアートギャラリーを開設。レストランの通路や個室にもアート作品が飾られている。

美味しい料理と素晴らしいアートは、お互いを高め合うと改めて気づかされる。レストランの利用客以外も入れるようにしてアートとの接点を広げた、新しいタイプのギャラリーの増加は嬉しい限りだ。

8.日本はアート後進国! アートコレクターへの道

F・ルーズベルトの「何はともあれ、何かやってみなければ始まらない」の言葉どおり、コレクターへの道は最初の1点を買わなければ始まらない。その1点に対して日本人は慎重すぎると言われている。結果として、世界のアート流通額のうち日本のシェアは2.5%以下という“アート後進国”になってしまった。

アートに限らず、買い物には失敗がつきもの。最初から自分の趣味にぴったりと合ったモノが買えることなど滅多にない。失敗を繰り返して、徐々に自分の趣味が明確になっていくのだ。アートフェア、オークション、ギャラリー。どんな手段でもいい。まずは買うことだ。

 
訪れるべきアートフェア▶︎▶︎「ASIAN FRONT ART SHOW」
日時:2023年9月16日(土)~18日(月)
場所:ホテルニューオータニ大阪
詳細はこちら

Toru Kawagishi
1968年北海道札幌市生まれ。西洋美術、コンテンポラリーアート、映画、音楽、アメリカンカルチャーに造詣が深い。著書は『日本で見られる西洋名画の傑作100』など。

【特集 アート2023】

TEXT=川岸徹

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