ART

2021.01.25

競争はしない! オンラインギャラリーの先駆者「タグボート」の仕事

時代の変化に伴い、アートにまつわる仕事は実に多様化している。業界に一石を投じるベンチャー企業や話題の新興ギャラリー、管理倉庫の舞台裏まで、アートの仕事の最前線に迫った。

タグボート

スマホやPCから現代アートの“今”がわかる!

パソコンやスマホで作品を見ながら、購入の手続きも行えるオンラインギャラリー。

2003年、日本でいち早く現代アートのネット販売を開始したのが「タグボート」だ。代表の徳光健治氏はそのメリットについてこう話す。

「日本のアート市場は、米国の100分の1程度の規模しかありません。市場を広げていくためには、アートで食べていけるアーティストの数を増やす必要がある。オンラインであれば作家のプロモーションにおいて認知や拡散が圧倒的に早いので、作品販売に効果的です」

現在、タグボートが直接取り扱いをしている作家は約140名。絵画、版画など、多彩なジャンルのアーティストが揃い、なかには現役美大生もいる。

「アーティストが成長するために必要なのは、時代の空気を察知する感度を磨くこと。あとはやっぱり、コミュニケーション能力を高めていくことが重要です。アーティストは協調性がなくてもよいというのは昔の話で、今は対外的なコミュニケーション力は必要不可欠。タグボートが作家たちの成長する場になれれば」

ECに加え、昨年3月には銀座の阪急メンズ東京にリアルなギャラリーをオープン。所属作家の展覧会を開催している。

「実際目にする作品には、スマホの画面で見る以上の感動がある。このギャラリーを、オンラインとオフラインをシームレスにつなぐオムニチャネルとして活用していきたいですね」

オンラインギャラリーの草分け的サイト

オンラインギャラリーの草分け的サイト。作品の価格がすべて明瞭に記載されており、作家のインタビュー、制作秘話なども数多く掲載。作品を見るだけではわからない、アーティストの人間性や思考にも触れることができる。

tagboat Gallery
住所:東京都千代田区有楽町2-5-1 阪急メンズ東京7F
TEL:03-5645-3242
営業時間:11:00~20:00
休業日:不定休

 

Policy of タグボート

1.食べていけるアーティストの数を増やす

2.誰にでも分かりやすく作家の世界観を伝える

3.競争はしない。他社とは完全に違うことをする

 

Kenji Tokumitsu

Kenji Tokumitsu
1965年福岡県生まれ。総合商社、外資系コンサルティング会社などを経て、アジア最大級の現代アートのオンライン販売サイト「タグボート」を運営。若手アーティストが活躍できる環境作りに注力。

 

※「タグボード」の詳細はこちら

TEXT=川岸 徹

PHOTOGRAPH=太田隆生

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