時代の変化に伴い、アートにまつわる仕事は実に多様化している。業界に一石を投じるベンチャー企業や話題の新興ギャラリー、管理倉庫の舞台裏まで、アートの仕事の最前線に迫った。
スマホやPCから現代アートの“今”がわかる!
パソコンやスマホで作品を見ながら、購入の手続きも行えるオンラインギャラリー。
2003年、日本でいち早く現代アートのネット販売を開始したのが「タグボート」だ。代表の徳光健治氏はそのメリットについてこう話す。
「日本のアート市場は、米国の100分の1程度の規模しかありません。市場を広げていくためには、アートで食べていけるアーティストの数を増やす必要がある。オンラインであれば作家のプロモーションにおいて認知や拡散が圧倒的に早いので、作品販売に効果的です」
現在、タグボートが直接取り扱いをしている作家は約140名。絵画、版画など、多彩なジャンルのアーティストが揃い、なかには現役美大生もいる。
「アーティストが成長するために必要なのは、時代の空気を察知する感度を磨くこと。あとはやっぱり、コミュニケーション能力を高めていくことが重要です。アーティストは協調性がなくてもよいというのは昔の話で、今は対外的なコミュニケーション力は必要不可欠。タグボートが作家たちの成長する場になれれば」
ECに加え、昨年3月には銀座の阪急メンズ東京にリアルなギャラリーをオープン。所属作家の展覧会を開催している。
「実際目にする作品には、スマホの画面で見る以上の感動がある。このギャラリーを、オンラインとオフラインをシームレスにつなぐオムニチャネルとして活用していきたいですね」
tagboat Gallery
住所:東京都千代田区有楽町2-5-1 阪急メンズ東京7F
TEL:03-5645-3242
営業時間:11:00~20:00
休業日:不定休
Policy of タグボート
1.食べていけるアーティストの数を増やす
2.誰にでも分かりやすく作家の世界観を伝える
3.競争はしない。他社とは完全に違うことをする
Kenji Tokumitsu
1965年福岡県生まれ。総合商社、外資系コンサルティング会社などを経て、アジア最大級の現代アートのオンライン販売サイト「タグボート」を運営。若手アーティストが活躍できる環境作りに注力。
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