日本ワインの飛躍が目覚ましい。なかでも年々、注目度が高まっている産地が、北海道。地形と気候に恵まれた「ワインの神に愛された土地」が最注目エリアだ。今回は、北斗の「ドゥエ プンティ ヴィンヤーズ」を訪れた。【特集 北海道LOVE!】
小規模だからこそ目指すピノ・ブランの最高品質
学生時代にイタリアの甘口発泡性ワイン、アスティと出合って以来、ワインひと筋の井坂真介さん。ワインショップ、インポーター、ソムリエを経験した彼が、最終的に選んだ道はワイン造りだった。
2008年から4年間インポーター勤務の後、栽培や醸造の現場を近くで感じるため、2013年よりニュージーランドやイタリア、北海道余市町でブドウ栽培と醸造に従事し、経験を積み上げて独立。2020年、函館に隣接する北斗市に「DUE PUNTI」を設立した。
経験の蓄積された余市でなく、敢えて道南の新興産地を選んだ理由をこう話す。
「道南は北海道の他の生産地と比べて、秋が長いことが魅力です。また雪の量も比較的少ないため、春の剪定を開始することができ、よりブドウ樹の育成サイクルに寄り添った栽培をすることもできます」
その井坂さんが、1.8haのブドウ畑で最も期待している品種がピノ・ブランだ。ピノ・ノワールやシャルドネほどメジャーではないが、「北海道で世界最高品質のピノ・ブランを生みだす」と意気込む。
「小規模、少量生産で自分の目が隅々まで行き届く。それが強みとなるはずです」
北斗|ドゥエ プンティ ヴィンヤーズ/Due Punti Vineyards
2020年2月に、イタリア・ローマとほぼ同緯度に位置する北斗市にブドウ園を開設。イタリア語でDue Puntiとは2点の意。「品質最優先」と「広い視野で」の2点がワイナリーの指針だ。
この記事はGOETHE2023年9月号「総力特集:北海道LOVE!」に掲載。▶︎▶︎購入はこちら