スーパータスカンを代表する3大ワインのひとつ、オルネッライア。赤ワインのイメージが強いが、密かにファンを魅了しているのが白ワイン。最新ヴィンテージ「ポッジョ・アッレ・ガッツェ・デル・オルネッライア2020」を例に紹介する。
スーパータスカンの威厳と地中海の香りを感じる1本
イタリア・トスカーナと聞けば、ワイン好きが思い浮かべるのが「スーパータスカン」。まだイタリアワインが地酒に過ぎなかった’70年代から’80年代、フランス・ボルドー地方原産のブドウ品種をおもに用い、バリックと呼ばれるオークの小樽で熟成させたワインが大当たり。使用した品種のために、当時は上級カテゴリーの原産地呼称(DOCやDOCG)が名乗れず、本来は格下のヴィーノ・ダ・ターヴォラ(テーブルワイン)扱いだったが、原産地呼称のワインよりも高価という逆転現象が起きたという歴史的背景を持つ。
そのスーパータスカンの誕生の地として世界的に知られるようになった、地中海沿岸に面した丘陵地に位置するボルゲリ地区は、今やイタリアを代表するワイン銘醸地。そのなかでも圧倒的な存在感を放っている3大ワインのひとつが「オルネッライア」だ。もともとは赤ワインで名声を得たエリアだけに、オルネッライアと聞けば”赤”というイメージを持つ人も多いが、今回紹介したいのは白ワイン。赤同様、白においても偉大なワインを造りたいという想いから2009年よりリリースされている。
黄金色に輝く白ワインの最新ヴィンテージ「ポッジョ・アッレ・ガッツェ・デル・オルネッライア2020」は、地中海のミネラル感をイメージさせる、絶妙なバランスを保った1本だ。フレッシュな果実味、酸味、芳醇さが三位一体となった、エレガントで透明感がある味わいには、食前酒としてはもちろん、食中も楽しめる豊かさがある。これを表現するために、ブドウの手入れや収穫に細心の注意をはらい、バランスのよさを前面に出す醸造と熟成がなされていることは想像にかたくない。
また面白いのが、地中海沿岸という豊かなテロワールをより深く伝えるため、イタリア全土から、選りすぐりのシェフをアンバサダーに選出し、「ポッジョ・アッレ・ガッツェ・デル・オルネッライア」とのマリアージュを提案するレシピ集「CONVERSATIONS BY THE SEA」を作る試みだ。
「サフランと赤エビ、ペスト・トラパネーゼのリゾット」「ホースラディッシュと北極イワナのクリーム」など、そのどれもが地中海の恵みを想像させる料理であり、「ポッジョ・アッレ・ガッツェ・デル・オルネッライア」を傾けながらそのレシピカードを眺めているだけで、ボルゲリの地を旅しているような気分になれる。
赤ワインの名門というイメージを良い意味で裏切る「ポッジョ・アッレ・ガッツェ・デル・オルネッライア2020」は、自宅で楽しむのはもちろん、ホームパーティの手土産に最適な1本。ぜひ、自分のワインリストに加えて欲しい。
問い合わせ
オルネッライア https://www.ornellaia.com/ja/wines/