京都・東山の「パーク ハイアット 京都」で、8月13日(金)まで開催している食のスペシャルイベントが話題だ。今回、同ホテルがアートクリエイティブ集団「モダニスアンドカンパニー」(京都市中京区)と共催し招致したのは、知る人ぞ知る完全紹介制(紹介者同伴制)のデザートレストラン「Kominasemako」。五感で唸る、その内容とは――。
香り高い旬の桃を主役にした全7品の美味七変化
東京・京橋に店を構える「Kominasemako」は、パティシエール・駒瀨奈美子氏が、素材・器選びから調理、演出、サービスまでたった一人でこなす完全紹介制(紹介者同伴制)のデザートレストラン。2ヵ月に一度、コースのテーマとなる素材を変え、駒瀨氏の揺るがない美意識で調理されたひと皿は、芸術作品のように繊細で美しく、味わい深い品々だ。
言わずもがな予約困難な名店なのだが、「パーク ハイアット 京都」では、8月1日(日)から13日(金)の13日間、昼と夜に各回8名ずつ席を用意。今回の企画のためだけに用意した全7品の「桃のデザートコース」が、食やアートを愛するゲストを至福のひと時へと誘う。
口の中で味を整える「口中調味」をテーマに、本コースはウエルカムドリンクとして、クリュッグのシャンパーニュからスタート。デザートにはすべてノンアルコールペアリングが用意されているのだが、ひと皿ごとに振る舞われるペアリングもまた、サプライズに溢れている。
例えば、コースのシグネチャーディッシュでもある一品目「桃のキャラメリゼ 氷と温度」にペアリングされるのは「桃の葉の香り」。フレッシュな桃の葉に触れ、香りを確かめたら揉んで香りを立たせ、特注のシャーレへ。
時々空気に触れさせては「華やかな桃、そしてわずかに同じバラ科である杏仁、さらに青々とした香り」といくつもの香りを発見して心を躍らせる。
香りと共にいただく「桃のキャラメリゼ 氷と温度」もまた、その姿形からユニーク。皮も含め丸ごとキャラメリゼし半分にカットした桃が、氷の球体に立てかけられて登場するのだ。
桃の「面」が球体に「点」で接することで、温かい桃の一点が冷たく、キャラメルのカリカリとした食感と溢れんばかりの果汁が口内で複雑に存在感を放つ。
桃の味わい方の多彩さに、まるでよく知る人の一面しか見ていなかったのだと気付いたような衝撃を受けつつ、甘美な味わいにしばしウットリ……。1品目から、五感も心も掴まれてしまうので、心づもりを。
桃は山梨県で無農薬栽培されるものを中心に揃え、2品目以降は桃の水分量を調整し、旨味を凝縮させた1品や、丁寧に手で割き繊維を感じる1品、黒文字の枝や西京味噌とペアリングした1品と姿を変えて提供される。
またテーブルにサーブされるたびに驚かされるのは、素材の調理方法だけでない。器やカトラリーは、東京のアトリエから運び込んだものや、今回のために特注したものなど、どれも駒瀨氏が愛用する作家が手がけたもの。
7品を通して味わえるのは、素材、工芸、生産者にこだわる洗練された世界観。美味とサプライズに溢れているので、あとはぜひ自身の五感をフル稼働して、唯一無二の体験を。残席は残りわずかだ。
期間限定「Kominasemako」 『桃のデザートコース』
場所:パーク ハイアット 京都内「KYOTO BISTROキッチンスタジオ」(京都市東山区高台寺桝屋町360)
開催日時:8月1日(日)〜13日(金)/昼の部:11時受付開始、11時30分スタート、夜の部:16時30分受付開始、17時スタート
※完全先着制各部8名
参加費:ひとり55,000円
問い合わせ:TEL075-222-6363
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