日頃お世話になっているあの方には、王道のボルドーを。ビジネスの大勝負の場では、プレミアムな希少ワイン。ワイン通のあの方をお招きするなら、新世界のワインでサプライズ! など、ワイン賢者・夏野 剛氏が5つのシチュエーションに合わせてワインをセレクト。コロナ禍とはいえ、年末は何かと贈り物や集まりが多いシーズン。考え抜いた渾身の1本を送れば、大切な方々への感謝の気持ちも伝わるはず。
相手のワインの好みに合わせたセレクトが大事
ワインを贈る時に注意すべき点は、その場で一緒に飲むのか、それとも後で飲んでいただくのか。前者ならすでに飲み頃のものを選び、後者なら寝かせてから楽しむワインもよいでしょう。ただしその場合、「飲み頃は5年後ですから、お嬢さんが成人されてから一緒にお楽しみください」といったひと言を。それに相手の好みに合わせることが大事。力強いワインが好きな人に繊細なワインを贈っても、価値を理解してもらえませんから。
手土産に選ぶ1本

ジャクソン ディジー・ル・クロ 2002
¥35,000
こちらがゲストの場合はどんな料理が出るかわからないので、無難に合わせられるシャンパーニュがお薦めです。特に超辛口のエクストラブリュットは、生魚とさえ相性がよく、僕なら残糖わずか3.5g/ℓのこれを持っていきます。天ぷらやトンカツなど揚げ物とは鉄板の組み合わせ。パーティの口開けに楽しむにはぴったりです。
ゲストのおもてなしに

ディディエ・ダグノー パラドックス 2003
約¥28,000(2000年の市場相場価格)
どうせなら絶対に誰も飲んだことのないワインでもてなしたいですね。これはロワールの鬼才と謳われたディディエ・ダグノーが、2000年と’03年の2年だけ造ったワイン。ソーヴィニヨン・ブランらしからぬ、複雑なフレーバーにびっくりします。造った当人はすでに亡くなられてしまい、もう二度と造られない希少品です。
プチギフトとして

マウント・エドワード テッド ピノ・ノワール 2017
¥4,450(2019年の価格)
コロナ禍の巣ごもり状態を利用して、お手頃なワインを100本ネットで買いこみ試飲しました。そのなかでダントツによかったのが、このニュージーランド産ピノ・ノワール。僕はブルゴーニュ以外にまともなピノはないと考えていたけど、これは違ってミネラルもばっちり。ワイン好きの友達にあげると、値段を知って驚かれます。
自分へのご褒美に

シルヴァン・カティアール ロマネ・サン・ヴィヴァン 2003
約¥205,000(市場相場価格)
2000年代の初めに英国のワイン商と会食した際、「これからDRC並みの存在になるから」と薦められた造り手がシルヴァン・カティアール。僕がブルゴーニュにのめりこむきっかけとなった造り手です。その後、本当にどんどん値上がりしました。この2003年は娘の誕生年。リーズナブルなうちに買っておいてよかったと思います。
本気の勝負ワイン

シャトー・オー・ブリオン ブラン 1982
約¥114,000(市場相場価格)
勝負の1本には、誰も持って来ないであろうこれですね。超長熟タイプのボルドー白。オー・ブリオンといえば赤が断然有名ですが、その逆張りで挑みます。2本持っていましたが、まさに勝負を賭けた場で1本開けてしまいました。蜜のように濃くて、余韻がものすごく長い。もちろん飲まれた皆さん平伏状態で、完勝でしたよ。
Takeshi Natsuno
慶應義塾大学 政策・メディア研究科 特別招聘教授。1965年神奈川県生まれ。NTTドコモでiモードの立ち上げに尽力。2019年からはドワンゴの代表取締役社長も兼任。ニコニコ生放送に番組を持っていたほどのワイン通。
※上記5本について、市場相場価格は編集部調べ。その他は参考小売価格。