日頃お世話になっているあの方には、王道のボルドーを。ビジネスの大勝負の場では、プレミアムな希少ワイン。ワイン通のあの方をお招きするなら、新世界のワインでサプライズ! など、ワイン賢者・熊谷正寿氏が5つのシチュエーションに合わせてワインをセレクト。コロナ禍とはいえ、年末は何かと贈り物や集まりが多いシーズン。考え抜いた渾身の1本を送れば、大切な方々への感謝の気持ちも伝わるはず。
ワインは接待に彩りを添えビジネスを成功させる武器
接待こそ“ビジネスの武器”と僕は考えています。どのお店にお招きし、どのような料理でおもてなしするかが重要ですし、それをあれこれ考えるのも僕にとっては楽しい。ワインも同様に、ビジネスを円滑に進めるためのツールであり、接待に彩りを添える武器のひとつです。これまでもワインを介して、さまざまな方とのご縁が生まれました。ワインの知識や経験がビジネスのうえでも役立っています。贈り物としては最高の武器ですね。
手土産に選ぶ1本
ドメーヌ・コシュ・デュリ コルトン・シャルルマーニュ2008
約¥525,000(市場相場価格)
ブルゴーニュの極上の白しか召し上がらない方にお招きされたら、白ワインの神様が造るこの1本で決まりです。これまで3度ドメーヌを訪問していますが、コシュ・デュリ氏は農作業を神へのご奉仕と考えているような人物。10年後、20年後に自分の造ったワインを飲む人の笑顔を想像しながら、ブドウ栽培をしているんです。
ゲストのおもてなしに
アルマン・ルソー リュショット・シャンベルタン クロ・デ・リュショット 1992
約¥86,000(市場相場価格)
ワインに詳しい方をお迎えする際、サプライズにお出ししたいのがこのワインです。ルソーの特級畑のなかでも少しマイナーな存在。でも標高の高い畑で、僕の好きなフローラルな香りがします。1992年は当たり年ではないけれど、かえって花の香りが早めに開いたみたい。価格もルソーとしては良心的で、相当なワイン通も唸りますよ。※写真は2007年
プチギフトとして
ジャクソン キュヴェ n°743
¥11,000
日本での知名度はさほど高くないメゾンですが、皇帝ナポレオンのお気に入りで、ワインガイドでも最高の三つ星生産者。n°743はn°728から始まったノンヴィンテージで、23を引いた数字がリリース年。そんなストーリーとともに、シャンパーニュ好きの方に贈ると喜ばれます。しかも、このn°743はドザージュ(糖分添加)はゼロ。
自分へのご褒美に
ドメーヌ・デュジャック エシェゾー 1978
約¥155,000(市場相場価格)
ブルゴーニュで、僕が最も興味ある特級畑がエシェゾーです。どこに区画を持っているかで、造り手ごとに大きく変わる。一生のうちにすべての造り手の全ヴィンテージを飲んでみたい(笑)。樽香が勝るデュジャックは決して好みの造り手ではないけれど、1978年のエシェゾーはすごかった。だから、自分へのご褒美はこれですね。※写真は2007年
本気の勝負ワイン
ドメーヌ・ド・ラ・ ロマネ・コンティ ロマネ・サン・ヴィヴァン 1978
約¥413,000(市場相場価格)
勝負の時には、別格のワインで最高のヴィンテージを。ブランド云々ではなく、DRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)は別格の中の別格という存在ですね。特にロマネ・サン・ヴィヴァンには究極のフィネスが感じられ、フローラルな香りも高い。でも若いうちだと真価が発揮されないので、今なら1978年が最高だと思います。※写真は1990年
Masatoshi Kumagai
GMOインターネット代表取締役会長兼社長・グループ代表。1963年生まれ。インターネット黎明期に創業、2005年に東証一部上場を果たす。大切なお客様の接待には専属のソムリエを帯同する、ビジネス界きってのワイン番長。
※上記5本について、市場相場価格は編集部調べ。その他は参考小売価格。