GOURMET

2020.06.26

ラ・ターチ|神戸のフレンチ。名店『御影ジュエンヌ』のDNAを継ぐ気鋭のシェフの店

毎年恒例のゲーテレストラン大賞「ゲーテイスト」。今回も秋元 康さん、小山薫堂さん、中田英寿さん、見城 徹の食を愛する4兄弟が集結、ここ1年のお薦めのレストラン(全52店)を教えてもらった。48店目は、 昨年のゲーテイストで「神戸の衝撃」として紹介した『御影ジュエンヌ』の大川尚宏シェフの長男、武士シェフが2016年に開いた店。

ラ・ターチ

受け継がれ、競い合う才能を見守るのが楽しみ

――神戸の名店『御影ジュエンヌ』で父・大川尚宏氏の下、10年の経験を積んだ武士シェフが2016年に開いた。契約農家から届く無農薬野菜や神戸ビーフ、瀬戸内の魚など地元厳選食材を見事に使いこなす技は父親譲りだ。

見城:昨年のゲーテイストで「神戸の衝撃」として紹介した『御影ジュエンヌ』の長男、武士さんのお店。もうひとりの息子さんはお父さんと仕事をしてます。

小山:父親と息子ってうまくいかないことも多いのに、兄弟揃ってお父さんの下で修業を積むって珍しいですよね。

秋元:同じようなタイプの料理なんですか?

見城:うん、そうなんだけど、お父さんの才能が次の世代に確かに受け継がれているのを見るのも嬉しいよね。こういうのもレストランの楽しみだなと、つくづく感じて心が明るくなった。

小山:いいですね。見守り続けて「お父さんを越えたね」なんて、いつか言ってあげるとか。

見城:お父さんのシグネチャーのひとつに、お皿にびっしり野菜や魚介が並ぶ花畑みたいなサラダがあってね。武士さんはオープン当初は意地でもこれはやらないって心に決めていたんだけど、お客さんから望まれることが多くて、今や定番。そうしたら、お父さんに「俺はもうやめて、次に進むよ」って言われたそうだよ。面白い話でしょ。

中田:お父さん、相当魅力的な人ですよね。

見城:炭火でじっくり焼く神戸ビーフのステーキは、お父さんは生から焼くそうだけど、武士さんはまずは表面をバターで焼いてから炭火台にのせているんだ。だから食べた時にふわっとバターが香る。どっちの方が美味しいかという問題ではなく、より美味しく、より自分らしくと工夫する気持ちが素晴らしい。

父から受け継ぎ、武士さんのシグネチャーになった美しいサラダ。

父から受け継ぎ、武士さんのシグネチャーになった美しいサラダ。40種以上の食材が使われている(料理はすべて¥6,500~、¥13,000のコースの一例)。

熱々に熱した鉄のフライパンで表面をしっかり焼いて脂を落としたフォアグラ。

熱々に熱した鉄のフライパンで表面をしっかり焼いて脂を落としたフォアグラ。酸味が美味しい苺“紅ほっぺ”や蜂蜜のヴィネガー、レモン果汁でローストしたピスタチオで軽やかな印象に。

神戸ビーフの炭火焼き。

神戸ビーフの炭火焼き。

アフリカ産サクラ材のカウンター1枚板は、お父さんからの贈り物。

アフリカ産サクラ材のカウンター1枚板は、お父さんからの贈り物。右から2番目が武士さん。

武士さんの料理のスタイルを象徴する、清楚で無駄のないエントランス。

武士さんの料理のスタイルを象徴する、清楚で無駄のないエントランス。

La Tachi
住所:兵庫県神戸市中央区加納町3-14-7
TEL:078-940-2077
営業時間:12:00~15:00/18:00~23:00(L.O.21:30)
休業日:日曜
座席数:カウンター8席、テーブル1席(~6名)、個室なし
料金:コースはランチ¥6,500~、ディナー¥13,000

※現在、レストランの営業時間、休業日など記載の情報と異なる場合があります。ご来店時は事前に店舗へご確認ください。

TEXT=小寺慶子

PHOTOGRAPH=鈴木拓也

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