GOURMET

2020.06.20

ナチュール・エ・サンス|鎌倉に佇む一軒家フレンチ。完成度の高い自然と感性の料理を堪能

毎年恒例のゲーテレストラン大賞「ゲーテイスト」。今回も秋元 康さん、小山薫堂さん、中田英寿さん、見城 徹の食を愛する4兄弟が集結、ここ1年のお薦めのレストラン(全52店)を教えてもらった。38店目は、 冴えた感性と熟練の職人技のなせる料理を提供する、鎌倉の住宅街の中にひっそりある一軒家フレンチ。

ナチュール・エ・サンス

想像を駆使した食材のマリアージュ

ーー鎌倉で愛されて17年の、閑静な住宅街で夫婦が営む一軒家フレンチ。店名の意味である「自然と感性」の通り、感性を駆使し、自然の美味しさを引きだした料理が心を打つ。シェフはフランス、ルクセンブルクでも修業。

見城:逗子に住む友人の薦めで行ったのをきっかけに、もう何回も通っています。こんな素晴らしい店がメディアに注目されていないのが不思議で堪らない。鎌倉の住宅街の中にひっそりある一軒家で、知っている人に連れていかれないと絶対にわからない店だけど。

秋元:目立ちたくないんですかね?

見城:そうかも。シェフの河窪雅秀さん自身、シャイなのか、口下手なのか、謙虚なのか、「旨いね」って褒めてもあまり反応してこないんだよ。

小山:見城さんが怖くて緊張しているんじゃないですか?(笑)

見城:マダムに「美味しいって伝えて」と言ったら「嫌です。シェフが調子に乗ってしまうので」って言われてさ。

秋元:素敵な会話ですね。

見城:まぁ素朴なふたりなんだよね。料理が素晴らしいから通っているうちにそれも馴れてきた。

「燻製寒鰆キャビアとブランダード」 。

「燻製寒鰆キャビアとブランダード」 。8時間かけて冷燻。タラのブランダードとキャビアの塩味で。(料理はすべて¥7,500~のコースの一例)。

「フォアグラのガトー仕立 ぶどう」。

「フォアグラのガトー仕立 ぶどう」。ドライフルーツやナッツで覆い宝石のよう。これはぶどうを組み合わせた秋バージョン。

「甘鯛鱗焼き じゃが芋と菜の花 筍ソース」。

「甘鯛鱗焼き じゃが芋と菜の花 筍ソース」。鱗の香ばしい食感、筍と、アサツキのソースの香り、春野菜のハーモニーを楽しむ。

「天使の海老パートカダイフ包み10種のスパイス」。

「天使の海老パートカダイフ包み10種のスパイス」。イタリアで感動した料理の記憶をたどったひと品。オマールエビのビスクを泡に。

シェフの河窪雅秀さんとマダムの美奈子さん。

シェフの河窪雅秀さんとマダムの美奈子さん。奥の木の扉の向こうに厨房とワインセラーがある。

マダムの好みでセレクトしているという、ブルゴーニュを中心にした品揃え。

マダムの好みでセレクトしているという、ブルゴーニュを中心にした品揃え。「ボトルで頼むのもいいが、マダムのセレクトでペアリングをお願いするのがお薦め」(見城)。

住宅街の中にある一軒家。

住宅街の中にある一軒家。初めてならグーグルマップ必携だ。

秋元:見城さんの好みといえば、やはり「酸の背骨」。酸味のメリハリがあるんでしょうか?

見城:そう、酸の魔術師なんだよ。仕事も丁寧。冴えた感性と熟練の職人技のなせる料理が次から次に。スペシャリテのお菓子みたいなフォアグラのテリーヌ、旨いよ。魚もアマダイ、寒ブリ、鰆、サゴチなどの個性をうまく引きだしている。ソースやスパイス使い、付け合わせ……、食材のマリアージュは想像力を駆使してるんだろうな。そういう完成度の高い料理です。

小山:鎌倉野菜も多用されているんですか?

見城:オープン当初はウリにしていたそうだけど、今は鎌倉だけでなく、自然な味わいの完全無農薬のものを探して使っているって。

小山:ワインは?

見城:シェフの料理を知り尽くしたマダムがペアリングで薦めてくれます。馬肉の時には日本酒を出してきましたよ。

中田:へぇ、興味深いですね。それにしても見城さん、隠れ家系が多いですね。誰と行くんですか?(笑)

見城:鶴岡八幡宮を抜けていく道程もいいんだ。恋人とか、家族と行くのにも最適ですよ。

アイアンの照明やアーチが優美なインテリア。

アイアンの照明やアーチが優美なインテリア。友人宅に招かれたような心和む雰囲気のなか、ゆったりと食事を楽しむことができる。

Nature et Sens
住所:神奈川県鎌倉市雪ノ下3-6-39
TEL:0467-61-3650
営業時間:11:30~L.O.13:30/17:30~L.O.20:00
休業日:水曜
座席数:26席、個室なし
料金:コースはランチ¥3,500、ディナー¥7,500~
http://nature-et-sens.net

※現在、レストランの営業時間、休業日など記載の情報と異なる場合があります。ご来店時は事前に店舗へご確認ください。

TEXT=藤田実子

PHOTOGRAPH=鈴木拓也

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