GOURMET

2019.06.01

これぞ焼肉の極み! 肉マイスター田辺晋太郎が手がける完全紹介制の焼肉店『Ⅹ』

"焼肉の聖地"といわれる西麻布でオープンし、瞬く間に話題となっている焼肉店がある。その名も『Ⅹ(TEN)』。そこには「世界一の焼肉」を堪能できる、焼肉好きの"理想郷"が広がっていた。

yakinikuX

西山知義とタッグ! 極上コースで焼肉の頂点を体感する

焼肉にはほかのどの料理ジャンルにもない不思議な魅力がある。言ってしまえば肉を焼くというだけの、もっとも原始的でシンプルな食べ物。それだけに未知なる可能性があったことは確かだが"日本の焼肉"がここまで進化したのは「美味しい焼肉が食べたい」と切望する人々の探求心の賜物といえるだろう。

「肉の選定はもちろん、カットの仕方、焼き方ひとつで味に雲泥レベルの差が出る。焼肉は、とてつもなく奥の深い食べ物なんです」と語るのは、音楽プロデューサーであり、肉マイスターの異名を持つ田辺晋太郎氏。学生時代に出合った焼肉店でその魅力に開眼し、全国焼肉行脚をスタート。有名店から無名店まで知り尽くした"Mr.焼肉"がプロデュースに携わった店がいま、話題を集めている。

yakinikuten

焼肉好きの間では聖地として知られる西麻布。星条旗通り沿いのビル地下に店を構える焼肉『Ⅹ(TEN)』は、完全紹介制にもかかわらず、訪れた人たちからの「圧倒的な食体験ができる」という評判が一気に広まり、すでに予約が困難な状況だ。そもそものきっかけは、田辺氏のもとにダイニングイノベーションの西山知義氏から「日本で一番の焼肉店を作りたい」という話が持ちかけられたことから始まる。

西山氏といえば『牛角』の創業者であり、最近では『焼肉ライク』を大ヒットへと導いた"飲食業界の雄"。そんなふたりがタッグを組んだことからも『Ⅹ』が「とんでもない焼肉店」であることが推察できる。

「僕が焼肉を溺愛するようになったのは西山さんが牛角創設前に、三軒茶屋でやっていた焼肉店の存在が大きいんです。いままでに食べてきた焼肉とは全然違う、と衝撃を受け、毎日のように店に通いました。その西山さんが日本一の焼肉店を作るというのだから、これはすごいことになるぞと(笑)。改めて全国の焼肉店を巡りながら、肉の選定やプレゼンテーションなど徹底的に考え抜きました」

yakinikuten

田辺氏が最高峰の焼肉店であつかうと決めたのは、兵庫の但馬玄に宮崎の都萬、松阪牛の3銘柄。多くの生産者と深い信頼関係を築いてきた田辺氏が今回とくにこだわったのは、和牛の真の美味しさを伝えられる究極の銘柄を選定することだった。

「ここ数年、焼肉業界でも赤身肉人気が高いですが、本当に美味しい和牛は脂も素晴らしく上質。和牛は脂っぽくてトゥーマッチ、胃もたれするから霜降りの肉は避けているという方にこそ召し上がっていただきたいです」

メニューは3万2000円のコースのみ。肉の焼きを熟知したスタッフが1枚ずつ丁寧に焼きあげ、サーブするというスタイルだ。肉の部位やカットに合わせて、最高の状態に仕上げるため、ロースターのほかに鉄板も用意。肉の個性を生かした焼きは見事のひと言だ。コース初盤に登場する但馬玄のイチボは、キャビア丸ごと1瓶と雲丹がともに供される。融点が12℃という大トロにも匹敵する上質な脂を湛えた肉に極上のキャビアと雲丹をたっぷりとのせて食すというプレゼンテーションにのっけから圧倒されるが、これはまだまだ序の口。稀少な黒タンは薄切り、牛テールのしゃぶしゃぶ、厚切りカットの3バージョンで、その豊満な旨みを楽しませる。鮮度と下処理を徹底重視したホルモン類のなかでも強烈に美味なのが、搾りたての胡麻油とともに味わうレバー。なめらかな舌触りと鼻を抜ける香りのよさは特級レバーの証だ。

ichibo

但馬玄イチボ

moriawase

肉の盛り合わせ

toman

都萬牛のロース

matuzaka

松阪牛のサーロイン

same

チョウザメキャビアと冷麺

motsu

もつまぶし

そして特筆すべきはタレ焼肉で、松阪牛のサーロインは思わず陶然とする美味しさ。宮崎の鶏卵、ニラのサルサ、挽きたての山椒を加えた自家製タレによくからめて頬張れば、たちまち至福の境地へと誘われる。

キャビアを山盛りにした冷麺やホルモンの旨みだけが濃縮された土鍋ご飯まで堪能すれば「これぞ日本、いや世界一の焼肉だ」と唸らずにはいられない。

日本の焼肉をさらなる高みへ。ここは紛れもない焼肉好きの"理想郷"だ。

TEN
TEL:非公開 
住所:東京都港区西麻布1-4-46 カーサスプレンディッド西麻布B1
営業時間:17:00~L.O.21:30 
休み:日曜 
席数:16席(個室のみ)、個室4室(2~6名用)
料金:ペアリングコース¥10,000~(料理はのぞく)

Shintaro Tanabe
1978年東京都出身。元AKB48渡辺麻友への楽曲提供を行うなど音楽家として活躍。その一方、肉への造詣の深さから肉マイスターとして呼ばれ、飲食店のコンサルティングやメニュー開発なども手がけている。また、食の情報発信や人材の育成を行う「食のコンシェルジュ協会」を設立し、焼肉コンシェルジュ検定なども主催している。著書に『焼肉の教科書』。

TEXT=小寺慶子

PHOTOGRAPH=岡本 寿

PICK UP

STORY 連載

MAGAZINE 最新号

2024年12月号

昂る、ソウル

東方神起

最新号を見る

定期購読はこちら

バックナンバー一覧

MAGAZINE 最新号

2024年12月号

昂る、ソウル

仕事に遊びに一切妥協できない男たちが、人生を謳歌するためのライフスタイル誌『ゲーテ12月号』が2024年10月24日に発売となる。今回の特集は“昂る、ソウル”。最高にエンタテインメント性に富んだ国、韓国をさまざまな方向から紹介。表紙は東方神起が登場。日本デビュー20周年を目前に控えた今の心境を教えてくれた。

最新号を購入する

電子版も発売中!

バックナンバー一覧

SALON MEMBER ゲーテサロン

会員登録をすると、エクスクルーシブなイベントの数々や、スペシャルなプレゼント情報へアクセスが可能に。会員の皆様に、非日常な体験ができる機会をご提供します。

SALON MEMBERになる