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2024.08.03

トリプルチェックの1回目は“たたき台”でOK? スピードと丁寧さを両立させる仕事術

「日本一、丁寧な仕事をする会社」をモットーに運送業界トップクラスの売り上げを誇る、池田ピアノ運送。常識を覆す施策を次々に取り入れ業界のイメージを一新してきた同社社長・池田輝男氏が、どんな業界でも通用するビジネスの絶対法則を紹介。書籍『「丁寧」なのに仕事が速い人の習慣』より、一部を抜粋してお届けします。

事前確認は必ず3回行う

丁寧な仕事とは、決して特別なメソッドではありません。特殊なセンスや才能がなければできないものではないし、ストイックなトレーニングが必要なものでもない。今よりも少し意識を変え、一つひとつ行動していくことで、誰にでも実践できるビジネススキルです。

そんな誰にでも実践できる「丁寧な仕事」のベースにあるものが、「準備」です。

私たちの会社では、あらゆる工程において、最低でもダブルチェック、できればトリプルチェックを行うようにしています。

環境整備点検を定期的に行っており、月1回、私が各営業所を回って自社で設定している環境整備の項目をチェックしに行きます。このチェックに備え、各営業所の社員たちはそれぞれ、ちゃんと項目に則したように準備ができているか、自身でチェックを行っています。

(写真:iStock.com/takasuu)

つまり、自分で1回目のチェックを行い、2回目は上司、つまり私にチェックしてもらう。これでダブルチェック。

さらに上司が確認したものを一緒に再度確認すれば、これが3回目のチェックになるわけです。

定期的な環境整備の点検は月に1回で、さらにその2週間前には模擬テストを行いますから、私の会社のチェックは、トータルで月に4~6回。そこまで徹底することで、私たちは仕事のクオリティを維持しているわけです。

こうした考え方でやってきた経緯がありますから、せめて「自分によるチェック」と「他人からのチェック」の2回は、事前準備として習慣づけてほしいと思います。

たとえば、明日、商談があるとしましょう。

営業資料の準備が万全かどうか、まずは自分でチェック。これが1回目。

それを上司に確認してもらい、2回目のチェックも行います。さらに足りないものがあれば追加をして、再度確認を入れて3回目のチェックもするのが理想的です。

どんなに完璧に準備したとしても、「漏れは必ずあるもの」と考えましょう。

日常の仕事がちゃんとできているか、教えられたマニュアル通りのことがちゃんとできているか、そのやり方で意図している結果が手にできるのか……? こうしたロールプレイングは、どのような仕事でも必要になるものです。

だからこそ自分で確認するだけでなく、複数の目でチェックをしましょう。それでやっと、万全の準備はできあがるのです。

1回目のチェックは“たたき台”でいい

事前確認を複数人で行うことを前提にした場合、なるべく時間をかけないように、その上で確実にできるように工夫していく必要があります。これは定期的な点検だけでなく、毎日の仕事の準備にも必要なことです。

そのポイントは、「1人でなく、チームで確認を行う」ということです。

(写真:iStock.com/Natee Meepian)

自分だけで完璧な状態にしようとすると、必然的に準備に時間がかかってしまいます。だから自分によるチェックでなく、2回目や3回目の皆でやるチェックで準備は万全になるものと考える。

1回目のチェックは“たたき台”でいいのです。だから質よりもスピードを重視し、10分程度で済ませてしまう。1時間も確認に時間を取るようでは、あまり効率的ではありません。

最初から「漏れはあるもの」と考え、それを2人目の協力者が見つけてくれればそれでいい。ダブルチェック、あるいはトリプルチェックで仕上げるという考えでやれば、最初から余計な時間をかける必要もないわけです。

ダブルチェックを上司と部下で一緒にやれば、時間短縮にもなります。

丁寧な仕事は“ただ丁寧なだけ”ではいけないのです。

そこにスピード感があり、時間内に終わらせることこそ「丁寧な仕事」の秘訣と考えましょう。

この記事は幻冬舎plusからの転載です。
連載:「丁寧」なのに仕事が速い人の習慣
池田輝男

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