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2024.07.09
超一流サービスマンが接待の場で見た、“出世する若手”のある特徴
どうすれば人の心を読み、つかむことができるのか。多くのビジネスパーソンが頭を悩ませている問いのヒントを教えてくれるのが、「日本一の人脈を持つサービスマン」として知られる萩原清澄さんだ。超一流レストランの統括支配人として、経営者から芸能人まで、名だたるVIPをもてなしてきた萩原さんのとっておきの秘策を、著書『サービスマンという病い』から抜粋してお届けします。
積極的に「ダメな自分」をさらけ出す
私が「出世されるんだろうな」と感じるのはどんな方なのかというと、何よりもまず「自分から積極的に会話に入っていく」タイプです。
もちろん、その場では立場が一番下になるわけですから、でしゃばるのはNGです。
しかし、その立場をわきまえつつも、場を盛り上げるような話題を提供することはできるのではないかと思います。

私が「場を盛り上げるのが上手だな」と感じた若手の方を見ていて、鍵になると思うのは「いかにダメな自分をさらけ出せるか」です。
過去に実際にあった例をご紹介すると、ゴルフ好きのゲストの方に、ホスト側の若手の方が、
「僕なんて140くらいなんですけど、ドライバーを替えれば少しはマシになるものなんでしょうか?」
と質問されたことがありました。
「いや、君ね、ドライバーを買ったって変わらないよ」
「そうなんですか……。では、どうすればよいのですか?」
「それはね、竹ざおを振るんだよ」
「竹ざおですか?」
「そう、2メートルくらいの竹ざおを買ってきて振ると、いい練習になるんだよ」
「なるほど……でも家が狭いので竹ざおが振れるかどうか……いや、わかりました。せっかく教えていただいたので、ちょっと短めの竹ざおを買って振ります!」
「いやいや、短かったら意味ないんだよ」
そんなふうに会話を交わしている間、ゲストの方はとても楽しそうでした。そして、
「じゃあ、今度一緒にゴルフ行こうか」
「本当ですか! ではそのときまでに、邪魔にならないように竹ざおを振って練習しておきます!」
と会話が発展し、あれよあれよという間に一緒にゴルフに行く約束まで取りつけたのです。
「自分を大きく見せる」のはNG!
もう一つは、金融業界の方同士の接待の席でのエピソードです。
ゲスト側もホスト側も若手の部下を連れていらしたのですが、ゲスト側の若手は一生懸命、市場環境の話をされていました。仕事に対する熱意や真面目さは感じられましたが、どうも話の内容が固く、ゲストとホストが打ち解けている雰囲気ではありません。

ところが、会話がロンドン市場の話になったときのこと。ホスト側の上司の方が、部下の方に、
「そういえばお前、この間ロンドンに行ってきたよな?」
と話を振ると、その若手の方は、
「ああ、そうなんですよ」
といって、そこからは仕事の話をいっさいせず、ロンドンでの失敗談や現地で会った女性の話をし始めたのです。すると場の空気が一気に和やかになり、そこからは会話に笑いが絶えなくなりました。
この話には続きがあります。
このときの若手社員の方はその後、ある外資系金融機関に転職し、異例の若さで役職についたのです。今では社長とともにWakiyaを訪れたり、メインホストとしてWakiyaを接待の場に使ってくださっていますが、私はときどき、接待の場で笑いながら自分の失敗談を開陳していたその方の姿を思い出します。
どちらのケースでも共通していえるのは、若手の方が「自分を大きく見せようとしていない」こと、そして「相手が楽しめる会話」「一緒に盛り上がれる会話」をしようとされていたことです。
接待の場に慣れていない若手の方は、どうしても「きちんとしたところを見せなければ」といった意識が働きがちなもののようですが、無理に自分を立派に見せようとしても、相手によい印象を残せるとは限らないことには注意が必要かもしれません。
それどころか一歩間違えれば、自分の底の浅さを相手に見せてしまうことにもなりかねないでしょう。
たとえば飲み物の選び方一つ取っても、急場凌ぎでワインの知識を頭に入れて、
「ではキャンティ・クラシコの……」
などとオーダーしてみせるより、ゲストがワインに詳しそうなら、思い切って、
「実はワインは全然わからないんですけれど、選んでいただいてもよろしいですか?」
といってしまったほうが、相手は好感を持つのではないかと思います。さらに、
「これが○○のワインなんですね。ちょっと写真撮らせてもらっていいですか?」
などと会話をつなげられれば、相手も喜んでワインのことを教えてくれるでしょう。
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