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2024.06.29
「母を独占したい!」“弟殺し”織田信長は、きょうだいコンプレックスを抱えていた!?
きょうだい(兄弟・姉妹)といつも比較されて育った。嫉妬や怒り、憧れをおぼえる。特別扱いされていると感じる。きょうだいのために我慢してきた……。少しでも当てはまると思ったあなたは、「きょうだいコンプレックス」を抱えているかもしれません! 精神科医、岡田尊司氏の『きょうだいコンプレックス』の一部を抜粋してご紹介します。
弟を殺した織田信長
歴史上には、きょうだい間の確執がやがて殺害に至るというケースが少なくない。その一つ、よく知られているのが織田信長と弟信行の確執である。この確執の背景にも、やはり母親の不公平な愛情が絡んでいた。

信長と信行は、土田御前を母にもつ兄弟であったが、土田御前は、行儀作法もわきまえない、暴れん坊の信長を疎んじ、品行方正な優等生であった信行の方を寵愛した。夫が亡くなってからも、信行の方とばかり一緒に暮らした。信長の不行跡に不安を感じた家臣団の一部が、信行を担いで謀反を企てたとき、信長に追い詰められた信行の命乞いをして助けたのも、土田御前だった。
信長は、このとき母の願いを受け入れて、信行をいったん許すが、その心には、いっそう不信感が募ったであろう。結局、再度、信行は謀反を企て、信長は密告によってその事実を察知すると、病気を装って見舞いに来させ、信行を暗殺したのである。
その後、母親の土田御前は信長のもとに引き取られ、孫たちの面倒を見たりして余生を過ごしている。信長は力ずくで、母親の関心を独占したと言えるだろう。それにしても、母親から可愛がられたばかりに他のきょうだいから憎しみを買い、窮地に陥るという皮肉は、今日も繰り返されている。
愛情に差があると嫉妬が生じる
この兄弟殺しのエピソードからも見て取れるように、きょうだい間の葛藤や反目は、しばしば自分の方が愛されなかったという嫉妬に由来している。
嫉妬という感情に着目し、それが社会悪の起源ではないかと考えたのが、フランスの思想家ジャン=ジャック・ルソーである。ルソーは、その著『人間不平等起源論』の中で、人類は、もともとの自然状態においては、「憐憫の情」により他人を自分と同一視して、わけ隔てのない状態にあったが、所有やグループが生まれるとともに、優劣や嫉妬が生じて、それが「不平等への、また同時に悪事への第一歩」となったのだと論じた。

そのおおもとは、家族というグループ内で、優れているとされた子と劣っているとされた子、親に愛された子と愛されなかった子の間の不公平感であったと言えるだろう。
自分も同じように認められ愛されたいと思い、それもできることなら自分が一番認められ愛されたいと願う──。しかしそれが叶わず、認められなかった子、愛されなかった子は、悲しみや怒りや願望がない交ぜになった感情を引きずることになる。
ちなみに、ルソーも不遇な子ども時代を過ごしたことで知られる。母親はルソーを産むと、その直後、身代わりのように亡くなってしまったのだ。母親のことを大そう愛していた父親は、愛妻の形見となったルソーを溺愛する。
その割を食ったのは、ルソーの兄である。兄は母親を失っただけでなく、父親にも放っておかれたのだ。この兄は、十七歳のときに家出したまま、二度と戻ってこなかった。ルソーが、多くの人の庇護を受け、世界的な思想家として名を残すことができたのとは対照的に、兄はこの世の闇に消えてしまったのだ。
兄の心にあったのも、弟ばかり可愛がってという恨めしい思いだったに違いない。その弟が、『人間不平等起源論』という本を書くのも、また皮肉な話である。
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