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2024.06.15

「50分歩く」「悩みを口に出す」須藤元気が実践する雑念の消し方

作家、俳優、ミュージシャン、世界学生レスリング日本代表監督……格闘家を引退後もマルチに活躍し、先日の衆議院補欠選挙への出馬も話題となった須藤元気さん。著書『やりたい事をすべてやる方法』(2015年12月刊行)より、そんな彼の「軽やかに転身し続けられる秘密」を公開する。

「内的対話」を止めること

人は生きていくなかで、さまざまな悩みに直面する。

ラクそうに見えている人でも、口や態度には出さないだけで、みんなそれぞれの人生をギリギリのところでやっているのだ。いろんな人生をスレスレのところで生きていて、やはりキツいと感じている。でも、それぞれに自分なりの人生のテーマがあって、できるだけそのテーマに沿って生きたいと思っているはずだ。

そうして生きていくなかで、生じてくる問題をどうやって解決していけばいいのか。

(写真:iStock.com/PhonlamaiPhoto)

僕はいままで、悩みや問題を解決するには「内的対話を止めること」だと言ってきた。つまり頭のなかの「ああでもない」「こうでもない」というおしゃべりを止めることで、頭のなかの雑念(ノイズ)を消していくのだ。

人間の脳は1日におよそ6万~7万回の考え事をしていると言われている。「これから、自分の人生はどうなってしまうのか?」「この仕事を上手く成功させるには?」「好きなあの子にどうやって話しかけよう」「この辺にセット料金が安いキャバレーはないかな」などなど大小さまざまなことを考えながら生きているわけで、悩みが出てくるのは自然なことだとも言える。

ときには大きな悩みを抱え、誰かに相談することもできず一人部屋にこもりがちになってしまうことだってあるかも知れない。

悩みを抱えた人間というのは、解決方法を見出せない苦しみゆえに、悩みそのものに視点が固定されてしまいがちだ。視点が固定されてしまうと、同じ思考パターンが続き、考えては悩み考えては悩みという無限ループに陥ってしまう。そうなるといつまでたっても解決の糸口が見つからず、「もうお終いだ……」と思ってしまうこともあると思う。

そもそも、悩みを「抱える」という言葉が間違っているのだ。

抱えない方がいいに決まっている。抱える必要なんてない。

悩み事は一人で抱え込んだりせずに、できるだけ口に出した方がいい。

部屋で悩むより外へ出よう

悩みを相談できる人が周りにいることは良いことだ。しかし、相談できるような人がいないと思うこともあるだろう。そのときは周りの人を「先生」に見立て、悩みを相談してみてはどうだろう?

この人には悩みを相談する関係でもないし、どうせ言っても分かってもらえないだろうと考え、悩んだままでいるよりも、できるだけ口に出して言ってみるといい。

思わぬ人から思わぬ解決のヒントを得られることもある。何事も決めてかからずに、悩んだときは口に出す方が絶対にいい

(写真:iStock.com/NickyLloyd)

人に話すことで、それまで「悩み」そのものにフォーカスされていた視点が変わるのだ。視点が変われば、悩み事自体を違う角度から見ることができるようになる。

僕も悩みが生じたときには周りの人に口に出して言う。それと、瞑想をする。

瞑想することで無意識の状態を作り出し、思考を止め、脳を落ち着いた状態にするのだ。

いまでも必ず1日に30分は瞑想するようにしている。瞑想することにより「内的対話」を止めることができるからだ。

そして、瞑想以外にも心を落ち着かせる方法がある。

50分歩く

そう、歩くだけでいい。30分でもなく40分でもなく、しっかり50分歩く。速くても遅くても構わないから、とにかく50分歩く。

近所を散歩するのもいいだろうし、仕事帰りに一駅手前で降りて歩くのもいいだろう。とにかく50分歩くことで、人間は情緒を安定させることができるのだ。

部屋にこもり、50分もの時間、堂々巡りをして悩んで過ごしてしまうよりも、外に出て50分歩いてみることをお勧めする。

歩くことで脳と全身の血液の循環が良くなり、脳のなかでドーパミンやベータエンドルフィンが出てくるようになり、精神的に落ち着くことができる。そうやって外を歩き情緒を安定させることで、固定されていた視点が柔軟性を持つことができる。結果として、抱えていた悩みを客観的に見つめることができるようになる。

気持ちを落ち着かせることができ、お金もかからない。そのうえダイエットにもなるわけで、一石三鳥である。

50分歩き終わったとき、自分の精神状態が変わっているのが分かるはずだ。

この記事は幻冬舎plusからの転載です。
連載:やりたい事をすべてやる方法
須藤元気

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