連載「意欲的新作ウォッチ」の第145回は、ジラール・ペルゴの「ロレアート グリーンセラミック アストンマーティン エディション」を取り上げる。
イギリスのレーシングカーから着想を得たグリーンカラーの魅力
のちに“ラグジュアリースポーツウォッチ”と呼ばれる一連の腕時計が台頭した1970年代。1975年に発表されたジラール・ペルゴの「ロレアート」もそれにあたる代表的なモデルのひとつであり、流行を的確に捉えたスタイリングのほか、当時の最先端であった高精度のクォーツ式ムーブメントを採用したことで一躍脚光を浴びた。その後も時代のニーズに合わせたプロダクトを作り続けた結果、「ロレアート」はジラール・ペルゴの一翼を担うコレクションとして人気を博していく。
2010年から数年の間、「ロレアート」は諸事情により生産中止になっていたのだが、ジラール・ペルゴの創業225周年にあたる2016年に発売された限定モデルをきっかけに復活を遂げた。翌年には、レギュラーモデルとしての展開がスタート。様々なサイズバリエーションが登場し、新たな一面を披露した。今現在では、複雑機構のラインナップも充実しており、多角的な広がりを見せている。
2023年の最新作「ロレアート グリーンセラミック アストンマーティン エディション」は、ジラール・ペルゴとアストンマーティンとのコラボレーションから生まれた限定モデルだ。サイズ展開は42mmと38mmの用意がある。時計全面に取り入れたグリーンカラーは、イギリスのレーシングカーから着想を得たもので、アストンマーティンの製品でも採用されている。
ケースとブレスレットに用いたグリーンセラミックは、通常のステンレススチールの約7倍の硬度を持ち、経年劣化や変色への耐性が極めて強いという特性がある。なおかつ軽量でなめらかな肌触りがあり、アレルギーが起こりにくいことも特筆に値する。同系色のクロスパッチパターンのダイヤルに目を向けると、アストンマーティンの軽量構造から刺激を受けて開発したスケルトン加工のバトン針を確認することができる。
つまるところ、今回のコラボレーションモデルの魅力は、昨今の時計業界における流行色であるグリーンを取り入れつつも、非常に個性的なスタイルを打ち出した点に尽きる。そこにあるのは、両社が目指し続ける普遍的なラグジュアリー感にほかならない。
問い合わせ
ソーウインド ジャパン TEL:03-5211-1791
■連載「意欲的新作ウォッチ」とは……
2022年も高級ウォッチブランドから続々と届く新作情報。その中から、新鮮な驚きや価格以上の満足感が味わえる“活きのいい”モデルを厳選! 時代を超えて輝き続ける、腕時計のパワーを改めて感じて欲しい。