2022年も高級ウォッチブランドから続々と届く新作情報。その中から、新鮮な驚きや価格以上の満足感が味わえる”活きのいい”モデルを厳選! 連載第114回は、A.ランゲ&ゾーネの「グランド・ランゲ1」を取り上げる。【連載 意欲的新作ウォッチ】
より美しいプロポーションを目指した「グランド・ランゲ1」のリニューアル
東西ドイツの統一後の1994年、創業者フェルディナント・アドルフ・ランゲの曾孫にあたるウォルター・ランゲによるA.ランゲ&ゾーネの復興コレクション第一弾として発表された「ランゲ1」は、近代の機械式時計ブームに大きく貢献したブランドの代表作であることに異論を挟む余地はない。
「ランゲ1」が瞬く間に成功を収めた理由は、時刻表示の要素をオフセンターに配したダイヤルデザイン、ドレスデンのゼンパー歌劇場にある有名な五分時計からデザインの着想を得たアウトサイズデイトにある。これらの非凡なデザインは、4分の3プレート、ビス留め式ゴールドシャトン、チラネジテンプなどの伝統的な時計製造の技術によって支えられている。
今日では「ランゲ1」はさまざまな派生モデルの展開があるが、2003年からファミリーに加わった「グランド・ランゲ1」は特徴的なダイヤルデザインにわずかに調整を行うことで、より大きなケースを採用したモデルだ。2022年の新作では、10年ぶりとなるリニューアルによって、ケース厚を0.6mm薄い8.2mmに変更することで、どんなカフスにも収まりやすいサイズを目指した。ケースの素材は18Kホワイトゴールドと18Kピンクゴールドの展開があり、いずれもシルバーの無垢を使用したグレー文字盤を合わせている。
「グランド・ランゲ1」専用の手巻きムーブメントCal.L095.1は、「ランゲ1」と同様の約72時間パワーリザーブであるが、設計がかなり異なる。「ランゲ1」に搭載されるCal.L121.1は、香箱が2個あるツインバレルなのに対して、Cal.L095.1は香箱が1個のシングルバレルであり、直径を大きくすることでほぼ同一の性能を持ち、薄型ケースの設計において何よりも重要な役割を果たしている。
高級時計の市場はスポーツウォッチの人気が加熱する一方、2022年の新作では多様なライフスタイルに応じた新たな動きが見られる。新生「グランド・ランゲ1」によるエレンガントなプロポーションも注目に値するだろう。
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A.ランゲ&ゾーネ TEL:0120-23-1845