2022年も高級ウォッチブランドから続々と届く新作情報。その中から、新鮮な驚きや価格以上の満足感が味わえる”活きのいい”モデルを厳選!連載第111回は、パルミジャーニ・フルリエの「トンダ PF GMT ラトラパンテ」を取り上げる。【連載 意欲的新作ウォッチはこちら】
無駄を削ぎ落とした新しい時代のGMTウォッチ
「神の手を持つ天才時計師」と呼び声が高いミシェル・パルミジャーニが創業したパルミジャーニ・フルリエは、1996年の気鋭のブランドでありながら、あたかも老舗のような厳格な雰囲気を持つ時計を数多く手掛けている。
先日、「ウォッチズ & ワンダーズ ジュネーブ 2022」で発表された「トンダ PF GMT ラトラパンテ」は、世界初の複雑機構を搭載した話題作として注目を浴びている。
主な特徴は、ホワイトゴールドの針とその下に重ね合わせたローズゴールドの針にあり、8時位置にあるプッシュボタンを押すと、ローカルタイムを示す上の針が一時間ずつ進み、下に隠れているホームタイム用の針が現れる仕組みになっている。
優れた操作性も魅力であり、第二時間帯の表示が不要な場合は、リュウズと一体化したローズゴールドのボタンを押すことでスプリット秒針クロノグラフのように、ホワイトゴールドの針がローズゴールドの針の上に移動することができる。すなわち、必要な情報だけを瞬時に読み取れる機能こそが、この時計が持つ革新性なのである。
パルミジャーニ・フルリエ「トンダ PF」シリーズのコンセプトである、デイリーユースでの着用に根ざしたデザインであることにも目を向けたい。ゴールドの針が映える深みのあるギョシェ彫りが刻まれたブルーのダイヤル、ローレット加工が施されたプラチナ製ベゼルは、構造的で力強いステンレススチールケースにさらなる高級感を与えている。
決して奇をてらわずに驚くべき進化を果たした希少なGMTウォッチは価格に相応しい価値があり、機械式時計を身につける楽しみを存分に味わえるはずだ。
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パルミジャーニ・フルリエ Mail:pfd.japan@parmigiani.com