2021年も高級ウォッチブランドから続々と届く新作情報。その中から、新鮮な驚きや価格以上の満足感が味わえる”活きのいい”モデルを厳選! 連載第89回は、モンブランの「モンブラン ヘリテイジ ピタゴール スモールセコンド リミテッドエディション 148」を取り上げる。
伝説のブランドの遺産を継承した限定の手巻き時計
「ローマは一日にして成らず」という格言があるように、時計製造は一朝一夕で成立するものではないため、参入障壁が非常に高い分野であるに違いない。
万年筆などの高級筆記具で世界にその名を馳せたモンブランは1997年から時計業界へ本格参入。今では機械式時計からスマートウォッチまで網羅し、コレクションは多岐にわたる。
モンブランが時計製造を着手するにあたって傘下に収めたミネルバは、1858年にスイスのジュウ渓谷のヴィルレーで創業したムーブメントを製造するエボーシュメーカー、または自社の名を冠した腕時計を製造するマニュファクチュールとして、スイス時計業界で一目を置かれていたブランドである。
モンブランが手掛けている機械式時計の多くは由緒あるマニュファクチュールであったミネルバのノウハウによって支えられているのだが、その特色を最も反映させた「モンブラン ヘリテイジ コレクション」はヴィンテージのテイストを色濃く残している。
ダイヤルにミネルバの名を刻んだ最新作「モンブラン ヘリテイジ ピタゴール スモールセコンド リミテッドエディション 148」は、2種類の18Kゴールド製ケースとカラーダイヤルを備え、新型ムーブメント「キャリバー MB M14.08」を搭載する。
かつてミネルバはクロノグラフの製造で名声を得たブランドであったが、この他にも優れたムーブメントを手掛けており、「ミネルバ ピタゴール キャリバー 48」も代表作に挙がる。この手巻きムーブメントは、ピタゴラスが発見した黄金分割(φ=1.618...)によって定義された数学的比例を使用してブリッジを設計したもので、際立った美しさが今もなお時計愛好家の間で語り継がれているという。新たに製作された「キャリバー MB M14.08」も黄金分割に従って、設計や仕上げが行われている。
外装については、1930~1940年代頃のヴィンテージウォッチを参考にディテールにこだわることで深みを与えている。特にダイヤルでは、中心のサンレイ装飾と時間表示リングのグレイン加工という2種類のモチーフを使用しながら、幾度の塗り重ねることで完成に至るラッカー仕上げの味わいを堪能することができる。
スモールセコンド仕様の3針という古典的なスタイルを踏襲しつつも、モダンな雰囲気が漂うモンブランの「ヘリテイジ コレクション」は汎用性の高さも強みである。39mm径のコンパクトなサイズ感も相俟って、幅広い服装での着用が期待できるだろう。
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モンブラン コンタクトセンター TEL:0800-333-0102