知的好奇心をくすぐる型破りな腕時計が注目されている。なぜビジネスパーソンの腕時計には色やデザインに個性を纏まとう、“遊び心”が大切なのか? 新作タイムピースのなかから、己を鼓舞する個性派ウォッチの数々を紹介する。
VACHERON CONSTANTIN
クロノグラフ×トゥールビヨンという高度な機構なのに端正な顔立ちに見えるのは、クロノグラフがワンプッシュ式で、積算形もひとつのみだから。トゥールビヨンを12時位置にセットするのも他にはない個性で、ブランドのアイコンであるマルタ十字の形をしたキャリッジを60秒で1回転させ、時計に加わる重力の影響をキャンセルして高精度を実現する。思わず見入ってしまう、品格ある時計だ。
CHANEL
究極の美を追求した型破りな1本は、ケースだけでなく、ブレスレットのコマもサファイア製。しかも自社製ムーブメントのパーツも、サファイアの地板に組みこんでいるので、どこからも浮遊感を楽しめる。ベゼルやインデックスにはバゲットカットのダイヤモンドをセットし、素材とメカニズムの両方で奇跡的な美しさを持つ。
AUDEMARS PIGUET
昨年のデビュー以来、好調にファンを増やしている「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」の魅力は、伝統と革新の融合にある。前面から見ると端正なラウンドウォッチだが、間に8角形のミドルケースを挟みこんでおり、ケースは立体的になっている。こういう革新性がある時計だからこそ、大胆な色さえも受け止める。カラーダイヤルが人気な今、パープルのメンズウォッチという希少性を楽しみたい。
IWC
“作戦完了”というサブネームがついたこのモデルは、昨年行われた英戦闘機スピットファイアでの世界一周ミッションの成功を記念した限定品。径46.2mmの大きなケースは、まるで航空計器のような迫力があり、ケースの重量感も含めて他にはない個性となる。経年変化でブロンズ素材の味わいが増すほど、モスグリーンダイヤルと色が近くなるので、さらに武骨さに磨きがかかるだろう。