日本茶の窮地を救うため、立ち上がった5人の男。リーダー・中田英寿が信頼を置く、各ジャンルのプロフェッショナルたちを紹介する。3人目は櫻井焙茶研究所の所長を務める櫻井真也氏。
飲食店とお茶業界に好循環を生みだすため、中田英寿と尽力する
店内で焙煎したほうじ茶、季節の草花や木の実などを組み合わせたブレンド茶といった新しい日本茶のスタイルを発信する表参道「櫻井焙茶研究所」。併設する茶房で供されるお茶のコースは老若男女から支持を集め、連日賑わいを見せている。
所長の櫻井真也氏は、バーテンダーだった経験を活かしてお茶とお酒を組み合わせるなど、革新的なお茶をつくり出すスペシャリスト。以前から「食事に合うお茶」をつくりたいと考えていたという。
「お酒を飲まない人が増えている今、飲食店はお酒に代わる楽しみをつくることが大切になってきています。中田さんも僕も、そこにお茶の可能性があると感じていました」
飲食業とお茶に精通し、卸売も営む櫻井氏のチームにおける役割は製造と現場のつなぎ役。
「飲食店でのお茶の価値をワインと同じぐらい─例えばグラス1杯3000円で売れるところ─までもっていけたらお茶業界への刺激になるはず。両者の間で好循環が生まれたらベストですね」
新規で進行中のボトルドティーの味づくりにも櫻井氏の培ったブレンドの技が活きている。
「春は苦味、夏は酸味、秋は旨味、冬は渋味など、季節ごとに身体が欲する要素があります。それを踏まえつつ、各お茶のテーマに基づいてブレンドするスパイスやハーブを提案しています」
各お茶に用いる素材は最低6種類。サンプルを何度もつくって試行錯誤を経て生まれたお茶は、それぞれの季節に寄り添う軽やかな味わいだ。
Shinya Sakurai
1980年長野県生まれ。和食料理店『八雲茶寮』、和菓子店『HIGASHIYA』を経て、2014年に日本茶専門店「櫻井焙茶研究所」を開設。大学時代にバーテンダーのアルバイトをしていた経験を活かし、お茶と食事のマリアージュや、お茶と酒の融合などを提案。
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