PERSON

2022.07.22

【西野亮廣】ちょっとした「発信」で集客できた時期は、終わった。「便乗」を見直す!

毎度お騒がせしております。キングコング西野です。今回の記事は、毎朝voicyという音声メディアで配信している「#西野さんの朝礼」でお話したことから、編集して紹介させていただきます。(※今回の記事を音声で楽しみたい方はコチラ

【連載「革命のファンファーレ2~現代の労働と報酬」】

今日は「ネオ大仏商法」というテーマでお話ししたいと思います。

第52回 オシャレなのに、美味しいのに、「商品が売れない」と嘆く人。その商品を、「何か」に「紐付ける」ことを考えろ!

西野亮廣

何かに紐付けなきゃ生き残れない世界になった

「すごい経営者を挙げてください」と言われたら、僕の中で真っ先に出てくるのがアパレルブランド『#FR2』を指揮する石川涼さんなんですけども、その涼さんと初めて会ったのが2016年です。今から6年前ですね。

毎回、バッキバキにエッジの効いた経営者さんをお一人お招きして、ただ、ひたすら喋るだけの『ハミダシター』(フジテレビ)という深夜番組で御一緒させていただいたんです。
で、今でも鮮明に覚えているのは、2016年の段階で(涼さんとしては「これから『#FR2』を仕掛けるぞ」というタイミングで)、「もう、アパレルブランドを『オシャレ』で売るのは無理だね」と白旗をあげていたんです(笑)。

僕、ビックリしちゃって、「え? 今から#FR2というブランドを立ち上げるんじゃないんですか?」という、すごくシンプルな質問をしたんですね。
そこで涼さんが言ったのは、「『アパレルブランドが勝てない』というわけではない」と。

『オシャレ』は翌日にはコピーされてしまうから、アパレルブランドが『オシャレ』をバリューにしていくのは難しい。だったら、どうすればいいか? 自分の商品を何かに紐付けていくしか生き残れない。たとえば『魚釣りの時に着る服』とか…」と、おっしゃったんです。

正直に白状すると、その時の僕は「何かに紐付けていくしか生き残れない」という言葉が、その意味は分かっていたのですが、まだ、自分事として落とし込めなかったんです。

でも、今(2022年)、まわりを見渡すと本当に(業種関係なく)、あの時の涼さんの言ったとおりの世界になりました。

今、あちこちで「商品が売れない。商品が売れない」という声を耳にしますが、「商品が売れない人が取り扱っている商品」って、何にも紐付けてないんです。
ただ美味しくて、ただオシャレなんです。

でも、ただ美味しくて、ただオシャレなものなんて、巷に溢れかえっているから、選ぶ理由にならないんですね。
涼さんが言ってた言葉を6年遅れでいいますが、今は、何かに紐付けなきゃいけないんです。

今、やらなきゃいけないのは「ネオ大仏商法」

一昨日、広島県の福山市にあるスナック『ライカ』という店に行ったんですけど、そこは、「サロンメンバーさんの店」という旗の立て方をしていて、もう、名古屋とか静岡とかからお客さんが来てるんです。
つまり、この場合だと「オンラインサロン」に紐付けているんですね。

仕事柄、全国を転々としているのですが、とくに最近強く思うのは、早めに紐付けることを決めた人が上手くいっていて、紐付けることを頑なに拒んでいる人が倒れていっている。

おそらく「便乗」という言葉のイメージが良くないんでしょうね。
でも、便乗するしかないです。

昔の人は皆、奈良の大仏さんを観に行ったから、その参道に店をポコポコ出して、それで大仏を観に来たお客さんを店に誘いこんだんですね。
これを「大仏商法」と呼んで、言葉の意味的には、「集客をサボってる店」みたいなネガティブなイメージなのですが、ただ、理にはかなっている。
今、やらなきゃいけないのは、この「大仏商法」をベースに“集客も頑張る”「ネオ大仏商法」で、そうしていかないと、大仏が無いところに店を出しても、もう無理。

昔は大仏が無いところに店を出して、オンラインで発信を頑張れば、なんとかなったんです。
だって、まだ皆、オンラインの発信が下手だったから。
昔は、TwitterやInstagramをやってない店なんて、たくさんあったんです。
だから、ちょっとした「発信」で集客をすることができた。
でも、今はもう無理ですね。

今すぐ、自分のサービスを何に紐付けるかを決めろ

そんなこんなで僕からのメッセージは、よっぽど発信力がある人は除いて、そうでない人は、「今すぐ、自分のサービスを何に紐付けるかを決めろ。そして、紐付けるものが決まったら、それに合わせてチューニングし直せ」です。

要するに『クリスマスツリーの飾り』みたいな感じです。
「うちの『飾り』は、このツリーにはピッタリですよ」という感じで。

ちなみに、僕も『えんとつ町のプペル』をハロウィンに紐付けたわけですが、紐付け先輩から一言言わせてもらうと、「紐付けることで他人の色に染まる」とか考えなくていいです。
あなたがやっている時点で、どうあがいても、あなたの個性は絶対に残るから。

そして、もう1つ。
「息が長いものに紐付けろ」です。

紐付けない理由なんて、どうせ「プライド」でしょ?
「プライド」と「家族」のどっちを守る?
「プライド」と「スタッフ」のどっちを守る?
こんな二択、悩むまでもないじゃないですか。
ご自身の商品をとっとと何かに紐付けることをオススメします。

 

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お知らせ!『西野亮廣講演会』全国各地で続々開催決定!

『西野亮廣講演会』のお知らせです。
全国各地で続々と開催が決まっています。
8月6日(土)に大阪、
8月7日(日)に東京、
8月20日(土)に熊本、
9月4日(日)に岐阜で、それぞれ『西野亮廣講演会』がございます。
私、西野亮廣がマイク一本で1時間半ほど喋る変なイベントです。
チケットをお求めの方は、『西野亮廣全国講演会』で検索してみてください。
サロンメンバーさんが作ってくださったイイ感じのホームページに飛びますので、そちらから。
会場によっては、まだ、チケットを発売してなかったりしますが、そのへんはご容赦ください。
講演会開催情報

よろしくお願いします。

 

西野亮廣氏ポートレイト

西野亮廣/Akihiro Nishino
1980年生まれ。芸人・絵本作家。モノクロのペン1本で描いた絵本に『Dr.インクの星空キネマ』『ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』。完全分業制によるオールカラーの絵本に『えんとつ町のプペル』『ほんやのポンチョ』『チックタック~約束の時計台~』。小説に『グッド・コマーシャル』。ビジネス書に『魔法のコンパス』『革命のファンファーレ』『新世界』。共著として『バカとつき合うな』。製作総指揮を務めた「映画 えんとつ町のプペル」は、映画デビュー作にして動員170万人、興行収入24億円突破、第44回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞という異例の快挙を果たす。そのほか「アヌシー国際アニメーション映画祭2021」の長編映画コンペティション部門にノミネート、ロッテルダム国際映画祭クロージング作品として上映決定、第24回上海国際映画祭インターナショナル・パノラマ部門へ正式招待されるなど、海外でも注目を集めている。

●国内最大となる、約4万人の会員数を誇る有料会員制コミュニティー(オンラインサロン)「西野亮廣エンタメ研究所」はこちら
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過去連載記事

TEXT=西野亮廣

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