PERSON

2021.10.16

【堀江貴文×MB対談 前編】死なないように即実行。10個中1個でも当たればいい。

コロナ禍で生き抜く術をさまざまな角度から説いた新書『死なないように稼ぐ。 生き残るビジネスと人材』が話題となっている堀江貴文氏。いまだ先行き不透明な時代が続くなか、気になるのは、実際に、堀江氏が現在進行形で描いているビジネスの形だ。そこで今回、メンズファッションブロガーとして絶大な影響力を持ち、関連書籍の累計刷数が200万部を突破するMB氏を迎え、“新時代の死なないビジネス”について、お互いの近況を交えて対談。前編では、堀江氏が最も注力しているビジネスのひとつ「飲食店のエンタメ化」から話がスタートした。2人はどんな仮説を立て、新機軸のビジネスを生み出しているのだろうか。【堀江貴文×MB対談 後編】

思いついたらすぐに行動するスピードが重要

堀江貴文(以下堀江)  飲食店は料理人が始めるケースが大半で、こだわっておいしいものを作れば売れると思ってるんですよね。でも、メニューはすぐにコピーされるし、今はおいしいことは大前提。では、どうやって差をつけるかというと、世界観や体験です。そのお店ならではの世界観を体験として提供するのがよくて、象徴的なのはエンタメ化。「WAGYUMAFIA」では、食事を出す際の「行ってらっしゃい!」というパフォーマンスがウケてます。そうした「食×エンタメ」はどんどん進んでいくでしょうね。

以前からイケメン俳優が握るエンタメ寿司屋をやりたいと思っていたんですが、それに先駆けてまずは「照寿司」(※「劇場型エンターティメント寿司」で人気を集める北九州の名店)を 東京でオープンします。赤坂にある「THE WAGYUMAFIA」の向かいのテナントが空いたので、そこで。来年2022年の1月にオープン、年末にプレオープンの予定です。

MB 僕のカフェとタイミングがまったく一緒ですね(笑)。実は、とある場所でカフェをやることになったんです。

堀江 どういうカフェ?

MB SNSのほとんどのインフルエンサーって、結局、マネタイズがうまくできていないんですよ。それを実現する場としてのカフェを作りたいと思って。フォロワーの顔が見たいっていうインフルエンサーも多いですし。ガラス張りの配信ブースを作って、そこでインフルエンサーが紹介する商品やオリジナルアイテムを並べて買えるようにします。案件が広がるきっかけにもしたいですね。

配信ブースの使用料は、例えば条件を満たすインフルエンサーだったら、タダにすることなども考えています。フォロワーが来てくれればカフェの売り上げになりますし、カフェのオリジナルアイテムも売ろうと思ってますので。計算したんですけど、赤字にはならなそうです。

僕の周りには、マネタイズができなくてやる気を失っているインフルエンサーがいるので、カフェをきっかけに、みんなが幸せになれればいいかなぁと思ってます。

堀江 それ、絶対にイケるよね(笑)。そんなMBさんだから一緒に何かやりたくて、至極のマッサージオイル「SUIT」のデザイン監修をお願いしたんですよ。ハイエンドな商品だけど、インフルエンサーに配ったりして、ジワジワと広がっています。

MB 急に連絡が来て、「オイルやろうよ」って言われたときは驚きました(笑)。デザインを相談したいということだったので、だったら協力できるかと。

堀江 思いついたんで、すぐ行動して連絡したんですよ。何がうまくいくかなんてわからないから、まずは行動しないと。

MB 堀江さんを見ていると、本当にすぐに行動してますよね。それと比べて、みんなはビビりすぎ。10個やって1個当たればいいのに、1つだけでストライクを取ろうとしすぎるんです。

堀江 そうそう。しかも、失敗を恐れてゆるいボールしか投げないから、ストライクだとしても打たれちゃう。

MB 本当にそうですね。結局、スピードのほうが大事。表参道のカフェも、場所が空いたからすぐに押さえて、それから勝ちパターンを考えたという順番です。

お金を稼げるかどうかより、楽しめるかどうか。

堀江 まぁ、あまりに安易すぎるのはダメですけどね。コラボなどの相談がたくさん来ますけど、みんな安易に考えすぎ。

MB 確かに。僕もけっこう断ってます。

堀江 「これでコラボレーションになるの?」って相談ばかり。同じ目線で同じ時代に生きていないと共感がないんで、組んでも面白くないんですよ。楽しくない。大事なのは、楽しいかどうか。たとえ失敗しても、少なくとも楽しむことができたなら納得できるでしょ。

MB 失敗した上に楽しくなかったら最悪ですからね。

堀江 楽しくない仕事をガマンしてやっている人が多すぎるんです。「稼がなきゃ」って思わなくてもいい時代になってるのに、必死にお金を稼ごうとしているんでしょうね。

MB 僕はぶっちゃけ、お金がなくなって、今の仕事が全部ストップしても、楽しく生きていける自信があります。大してこだわりはないですし、クルマも別にいらないし……。

堀江 もともとユニクロの服を着てる人だからね(笑)。

MB そうそう(笑)。ユニクロの服とスマホがあれば生きていけます。そこから稼ごうと思えば、それなりには稼げるだろうし。

堀江 余計なことさえやらなければ、そんなにお金はいらないんですよ。

【堀江貴文×MB対談 後編】

TAKAFUMI HORIE
1972年福岡県生まれ。実業家。複数の飲食店の経営、会員制オンラインサロン「堀江貴文イノベーション大学院(HIU)」の運営、ロケットベンチャーの立ち上げ、音声動画プラットフォーム「ZATSUDAN」のプロデュースなど、さまざまな領域で活動。『死なないように稼ぐ。 生き残るビジネスと人材』(¥946/ポプラ社)ほか著書も多数。

MB
ブログ「オシャレの教科書 KnowerMag」を運営。ロジカルなファッション指南で支持を集める。ベストセラーも多く、『最速でおしゃれに見せる方法』『ほぼユニクロで男のオシャレはうまくいく』といったメンズファッションの分野に加え、『まんがでわかる「もっと幸せに働こう」 』などのビジネス書も好評。さらに、ヴィンテージショップの経営、VoicyやYouTubeでの発信、全国での講演会など、多方面で活躍中。

TEXT=平 格彦

PHOTOGRAPH=古谷利幸

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