「ゲーテ」でも好評連載中の滝藤賢一さんが、私服を紹介するスタイルブック『服と賢一 滝藤賢一の「私服」着こなし218』を2021年9月24日に刊行。ファッションを楽しめば、仕事と人生がもっと愉しい。そんな滝藤さんのファッション考を訊いた。限定カットも掲載!
下北系→ネペンテス→ヴィンテージ。年齢とともに変化するファッション
「自宅の衣装部屋はもう満杯、だけど服を買うのはやめない!」という滝藤賢一さん。今回発売する自身初のスタイルブック『服と賢一 滝藤賢一の「私服」着こなし218』では、173日かけて、それぞれの季節の私服コーディネイトを大ボリュームで公開している。
「まだまだ眠っている服がたくさんあるので、もっとコーディネイトを作れましたよ。昔からファッションを楽しむことが僕の生活の一部でした。20代の時は下北沢の古着、30代は『NEPENTHES (ネペンテス)』というブランドにハマって、もうこれ1強でしたね。
最近は高円寺の『TRUNK(トランク)』という古着屋さんでヴィンテージを勉強していますよ。店主さんがとても洋服を愛していて、この前も『ユーロLEVI'S(リーバイス)』というものがあることを教えてもらいました。リーバイスといったらアメリカですが、ヨーロッパの方に合わせて作っていた時期があり、その時の貴重なヴィンテージなんですって。そうやってその道のプロの方と話して、歴史を知ることもファッションが楽しいひとつの理由ですよね」
最近はハイブランドのヴィンテージにも心惹かれている。数十年前のアイテムでも生地、縫製に痛みはなく、そのクオリティにも驚かされているという。
「やっぱりいいものは、何十年たってもいいんですよね。それにヴィンテージとは出会いでしょう。誰でもお金を出せば買えるものではない。今までの自分が好んできたファッションと融合していければ最高です!」
着せられるのでなく、「自分の人生」なら自分で選びたい
テレビや雑誌など、滝藤さん自身が求められる際は常に私服で出演。役者として役を演じる際も、監督やスタイリストと話しながら「この役はどんな服を着るのか」アイデアを出すという。まさにファッションは滝藤さんの仕事と人生の一部だ。
「だけど、仕事っていうよりは、やっぱり息抜き。ファッションのことを考えている時は芝居から離れていられる。朝、シャッターが開くか開かないかくらいの時間から古着屋に行ってばーっと短時間で見たり、トレーニングの帰りに『ネペンテス』に行ったり。それはすごくストレス解消になる。
役を演じる時も、結局僕はその人の人生を生きることになるわけで、その人だって着る服は自分で決めますよね。だから、適当に着せられるのはではく、自分で選びたいと思うこともあります。先日もある面白い役をやったのですが、その際も口うるさく意見してましたね(笑)。監督やスタイリストとセッションするのは楽しいです」
そんな滝藤さんのファッションルールとは。
「例えばオペラパンプス。こういうものは普通フォーマルな場で履くでしょう。でもそういう大事なものこそ、スニーカーみたいに普段使いすること。あとは白のシャツはアイロンをあてず、くちゃくちゃで着る。大事にしすぎず、ガシガシ着ることで逆に愛着が湧くんです」