長きにわたり、極めてきた彼らのそのワインホリックなライフスタイルとは。セラーに隠された秘蔵の1本を紐解きながら、究極の愛を語る。

本田氏のオフィスにて。人々が集う場所として位置づけているため、ここでワインをひとりで開けることはほぼないという。
ワインはビジネスに必要な世界共通言語
本田直之氏のオフィスにある3台のワインセラー。ブルゴーニュ、シャンパーニュ、ナチュラルワインとそれぞれ1台ずつ、500本近くが常にストックされている。
「日々ゲストを招いているので、月に数ケースは消費しています。寝かせようと思っても我慢できずに飲んでしまう(笑)」

ブルゴーニュ専門セラー。
ブルゴーニュ、シャンパーニュに魅せられ20年。2005年にはソムリエ資格(当時はワインアドバイザー)も取得し、多くのメゾンにも訪れる。
「知識を入れ、俯瞰して見ることで、自分が好きなワインをより理解できた。実際に畑を見て、こんなに厳しい場所で造られたんだ、と知ることでありがたみも違ってきます」

ナチュラルワイン専門セラーには、オーストリアのグート・オッガウなど。
美食を追求し、数々のレストラン本を出版。トライアスロンやサウナブームの仕かけ人でもあり、好きになったものは極めないと気がすまない質(たち)だ。
「レストランや、サーフィンと一緒で、ワインは世界の共通言語。ビジネスにも必要です。それに世界にワインホリックは多くいて、みんなとっておきの情報を持っているんです。レストランとしては有名でなくてもすごいワインを安く出す店、とかね。世界中から集まってそんな話をするのは、楽しいんですよ」

シャンパーニュのセラー。本田氏は、ドン ペリニヨン、クリュッグ、ルイナールのアドバイザーも務める。
食とワインへの飽くなき探究心
仲間との語らいを楽しむことで、新たに見えてくるものもある。パリの人気店「レストランA.T」の田中淳シェフに勧められて飲んだヴォドピーヴェッツのオレンジワインからナチュラルワインの扉が開けたのもそのひとつだ。
「それまで避けてきたものでしたが、こんなに食事に合うのだと。以来、オフィスにナチュラルワインのセラーができました」

1本1本丁寧に扱う本田氏。ワインだけではなく、ラムやテキーラ、ジンや焼酎、日本酒にも造詣が深い。
ハワイを拠点に世界を飛び回っていた本田氏。現在は月の多くを日本の地方で過ごし、レストラン発掘に力を入れる。
「これまで、世界の美食家がひっそり通う海外のレストランを訪れてきましたが、今度は国内でそれを発掘してみようと。大雪のなか、山奥に行くと、素晴らしい店があったりする。地方での新しい挑戦を応援して、そこで新しいワインを発見できたら楽しいですよね」

2013年、訪問不可能といわれるコシュ・デュリにワイン仲間と。(右から:大越氏、本田氏、藤巻氏、ジャン・フランソワ・コシュ・デュリ氏とその奥様、大橋氏、石田氏)
常に出合いを求め、食に関わる人を応援していく。その本田氏の人生のそばには、いつでもワインがあるのだ。
本田直之のWine Profile
好きなワインの傾向
ブルゴーニュ、シャンパーニュ、ナチュラルワイン
ワインの師匠
フィラディス社長石田大八朗氏、ワインディレクター大越基裕氏、東急百貨店和洋酒販売・藤巻 暁(あきら)氏、レストランプロデューサー大橋直誉(なおたか)氏
“ワインホリック”なエピソード
高級ワインをリーズナブルに出すレストランへ行くためにドイツまで。
自分へのご褒美

ボンヌ・マール 2001 ドメーヌ・ドーヴネ
約¥880,000
経営していたバックスグループが上場したのが2001年。今年20周年で、当時の役員と開ける予定。
ツウな人に振る舞う

リシュブール 1990 ジャン・グロ
約¥270,000
「今は亡きジャン・グロのリシュブールはとても貴重」。もうほとんど手に入らない1本。
生涯最後に飲むなら

ヴォーヌ・ロマネ クロ・パラントゥ 2000 アンリ・ジャイエ
約¥1,600,000
当主が亡くなってから、大事にとっておいた。最後に飲むならやっぱりこのアンリ・ジャイエを。
今注目の1本

クリュッグ・グランド・キュヴェ エディション163 マグナム
約¥63,000
現行6エディション前、より長く熟成されたクリュッグマグナムサイズ。今は市販されていない。
Naoyuki Honda
2004年レバレッジコンサルティングを立ち上げる。世界60ヵ国以上を旅するデュアルライフの先駆者。近著に『パーソナル・トランスフォーメーション』(KADOKAWA)がある。