「縁と人脈をつなげる開運アイテム」
販売から叩き上げでキャリアを積み、昨年ポーラの社長に就任した及川美紀氏。同社を含め大手化粧品会社で女性社長が就任したのは初のことだ。その及川氏が4年前、ひと目惚れして以来愛用するのが、色違いで3つ所有するという「FUMIKODA」のビジネスバッグだ。
「女性用のワーキングバッグはまだまだ少ない。でもこれは“働くシーン”に合わせながら、エレガントに見せてくれ、大事な商談の際は必ず使っています。アニマルフリーなので、エシカルなエグゼクティブの方たちもお持ちで、『その鞄、FUMIKODA?』なんてことがきっかけでお話しした方も。人脈をつなげてくれる開運アイテムなんです」
入社して30年間、資料やサンプルをつめた鞄を持ち歩いてきた。その日々のなか、出向、左遷ほか「サラリーマンが体験する、あらゆるネガティブな出来事」を経験してきたという。しかし「そのすべてが変化するきっかけだった」と笑う。
そんな及川氏がキャリアのなかの大勝負として語ったのが、2012〜’15年にかけて実行した大規模な社内改革だ。
「当時、商品購入継続率は70%を超えていて、業績も悪くありませんでした。しかし世間から『古い会社』と思われ、社員が仕事を楽しめていない状況だった。このままではポーラの未来に関わると思いましたから」
この改革が実行された後、業績は上がり、社員の意識も変化した。そして今、創業100周年に向け、再び新たな改革を進めている。
「私は『可能性の扉は自動ドアではない』とよく言います。待っていないで、開けるための行動を続けなければいけない」
現状維持に甘んじることのない及川氏の鞄には、変化へのアイデアが詰められている。
OIKAWA’S TURNING POINT
23歳 入社1年で販売会社出向。顧客や販売員との交流の重要さに気づく。
36歳 課長昇進試験に落ちたことで働き方を改め、翌年は部長まで昇格。
45歳 全社のリブランディングを提唱、全部門のルール改定を行う。
47歳 赤字だったファッション部門に異動。1年で黒字に立て直す。