「地に足をつけて時代を駆け抜ける」
なぜ世界中のセレブリティがベルルッティを愛するのか。その理由は単純明快だ。愛用者のひとりであるグリー代表の田中良和氏は語る。
「とにかく履き心地がいいんです。足を包みこむような感覚で疲れない。10年以上、オフィシャルな場でスーツを着る時は必ずベルルッティ。会社が上場した時も履いていました」
履き心地が抜群で、手入れを怠らなければ、ゆうに10年以上は輝きを保つベルルッティの靴。ガラスをまとったような美しさを放ちつつもしなやか。独自のヴェネチアレザーは、シャンパンで磨きをかけている。
「ベルルッティの靴は2足持っていて、メンテナンスしながら交互に使っています」
有名な「靴を磨きなさい。そして自分を磨きなさい」という言葉は、4代目オルガ・ベルルッティのもの。移り変わりの早いIT業界を生き抜いてきた田中氏は、靴だけでなく自分にも磨きをかけ続けている。
「趣味でGREEを始め、カードキャッシングでサーバー代を払いながら、破産するか創業するかの狭間で会社を興しました。ここまで来られたのはやり続けたから。私は、運に依存することはしません。運がなくても成功する方法を考えて、あとは運が来るのを待つだけです」
とにかく考え抜くことで“勝利”を目指す。
「自分の信念や勝ち方や戦略を考え抜いて、それに沿って行動する。生まれ変わっても、これ以上のことは自分にはできない、と思えるくらいとことん考え抜いたら、あとは行動していくのみです」
創業から17年。好調な時も、そうでない時も、しっかりと地に足がついている田中氏。その足に履かれているのは、もちろんベルルッティだ。
TANAKA’S TURNING POINT
14歳 アメリカの未来学者アルビン・トフラーの著書『パワー・シフト』を読んで情報化社会到来を理解する。
18歳 インターネットに初めて触れ、ネット産業の勃興を実感する。
22歳 楽天に入社し、急成長のスタートアップを体感。
27歳 グリーを創業。