ゲーテ通巻100号を記念したイベントが2014年6月に開催。楽天CEOの三木谷浩史氏 という豪華なゲストを迎え、見城徹との熱いトークが展開された。
「ビジネスには三振がないからなんとかなる」
見城 流通、金融からデジタルコンテンツまで扱う経済圏を、驚くべきスピードで築き上げてしまった。ダイナミズムが桁違いだ。
三木谷 今起きている情報革命は世のなかの成り立ちや定義を根本から変える。産業革命以上のインパクトがあります。経営にも大胆さとスピード感が必要。我々の事業でも成功確率をよく考えたもの、とにかくやるべきだからと進めてしまうもの、両方あります。
見城 あれもこれも、自ら判断を下すバイタリティもすごい。
三木谷 ジャンルによりますけどね。金融ビジネスはかなり任せている一方、楽天市場にはまるで課長のように指示を出す。ただ、どんな時も社内コミュニケーションは大切。週に一度、世界中をつなぐテレビ会議で、意思を明確に伝えています。
見城 推進力はずば抜けているのに、仕事のやり方は意外なほど愚直で不器用。慣習や法律による日本の規制と闘い続けてきたが、いつだって真正面からぶつかる。ひとつひとつの法案の成否が、仕事や実人生に直結している。そんなスケールの人、あんまりいないんじゃないか。
三木谷 ため息が出ることはありますけど、3分経てば『しょうがないか』と、新たな手をまた考える。不器用なんですよ。でも、ビジネスには三振がなく、意志とお金が続く限り打席で振り続けられるのでなんとかなる。そのゲームを楽しんでいますよ。
見城 そう、やっぱり楽しくなければ仕事じゃないんだよ。
"数十年にひとりの経営者"、それが見城による三木谷評。親交のあるふたりのセッションだけあって、トークは大盛り上がり。目からウロコの金言も満載で、参加したビジネスパーソンは、みな真剣に耳を傾けていた。
*本記事の内容は14年6月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)