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2022.11.20

数十億は普通!? 最上級レジデンスの世界基準を解説

海外の高級レジデンスの沸騰ぶりは想像を超えている。国内外でウルトラ富裕層向けのレジデンスを扱うプロに海外のレジデンス事情を教えてもらった。【特集 浪漫のある家】

海外レジデンス事情

高級ホテルレジデンスなどを開発中のタイ・チャオプラヤ川沿岸。今後、高級市場になる可能性も!?

なぜ高価格帯でも売れるのか? 8つのポイント

1.プライバシーを分ける。それこそが海外基準
「どんなに素晴らしい部屋でも 海外からのお客様にNGと言われてしまうのが、パブリックゾーンとプライベートゾーンがあいまいなこと。例えばリビングに行く手前に寝室があるなどは論外。主寝室専用バスルームやトイレが複数あるのも同様の考えからです」。来客も多い富裕層の家は、寝室などのプライベートゾーンに続く廊下に扉を設けたり、来客用と別にファミリー用ダイニングやリビングを設けたり、間取りも公私をはっきり分けるのは必須なのだ。

2.50億、100億円の価格帯は当たり前!
日本では60億円超の物件がレジデンスの日本最高額と話題になったが、海外で数十億は普通の価格帯。「ロンドンの『ワン・ハイド・パーク』は240億円ですし、ニューヨークのレジデンスで2019年当時最高額の『220セントラル・パーク・サウス』のペントハウスは260億円。別の部屋ですが、日本人のお客様にも販売しました」。高級レジデンスの価格はさらに上昇中。今年9月販売開始のニューヨーク「セントラル・パーク・タワー」のペントハウスはなんと約360億円だ!

3.ウルトラ富裕層には当たり前のスケルトン住宅
「レジデンスに数十億円を出せるお客様ですから、間取りはもちろん室内の設備や床や壁などの内装も自分のスタイルを求められます。なので、海外のレジデンスでは、部屋を一からつくれる何もないスケルトン状態での売買も多いんです」。日本では法律上の制約もあり、完全なスケルトンでの販売は難しいが、海外では隣接する2部屋をつなげてひと部屋にしたり、階段を設けてメゾネットにしたりと、改装もダイナミック。自分好みの空間を追求する。

4.場所を間違えたら高級不動産も一気に下落!?
富裕層にとって、世界中からアクセス容易で、どこにいても同じレベルの生活ができることはレジデンスを選ぶ大切なポイント。同じ都市でもニューヨークならミッドタウン周辺、ロンドンならメイフェア周辺などが人気なのは、セキュリティや食・サービスなど、彼らを満足させる環境が整っているから。「場所さえ間違えなければ、不動産価格が下降局面になっても、下がり幅は低くすむという側面もあるので、場所選択はとても重要です」

5.プライベートジェットつき!? 住めば極上サービスがつく
ラグジュアリーレジデンスにあるのが、他にはないような極上のサービス。「自分で運転しない方が多いので、バレーサービスも必要ですし、レジデンス専用のベントレーやロールス・ロイスを備えていることも」。さらにヘリコプターの手配や、リゾートだと居住者のためにクルーザーやプライベートジェットを用意しているところもあるという。「スポーツ観戦が盛んなアメリカでは、4大スポーツの年間VIPシートつきのペントハウスもあるんです」

6.上質なコミュニティはつくるのではなく買う!?
「同じエリアに坪1000万円でいい物件があっても、なぜ富裕層がその数倍もする特定のレジデンスの部屋を買うのか。それは自分と同等のライフスタイルのコミュニティがあるから。自分が望むライフスタイルにお金を払っているんです」。レジデンスが形成するコミュニティは、そこに住む人たちで形成されるもの。守るべきプライバシーや確かなセキュリティ、よい教育の情報など、同レベルのライフスタイルが実現するという価値を認めているのだ。

7.全世界の成人の1%以上がミリオネアに
金融機関クレディ・スイスの「グローバル・ウェルネス・レポート2021」によると、2020年の世界のミリオネア(純資産100万米ドル以上)は今世紀最大の520万人が増加し、5,610万人に。日本はアメリカ、中国に次いで第3位となった。さらに純資産が5,000万米ドルを超えるウルトラ富裕層は、21万5000人で24%も増加。ちなみにミリオネア5,610万人は 世界の全成人人口の1.1%。高級レジデンスのターゲットはまさにこういう人々のためにあるというわけ。

8.天井が低ければそれだけで価値はなし!?
「日本のマンションの天井高は2.5mですが、海外の富裕層向け物件では3mはざらです。空間だけではなく、レジデンスやそのコミュニティが環境保全や慈善活動に熱心かなど、日本人には思いつかないようなニーズや選択基準もあるんです」。世界のレジデンスを知る富裕層をいかに満足させるかは、これまでの日本の億ション的なラグジュアリーをベースにしていては限界がある。レジデンスの価値を上げるためにはグローバルに受け入れられるスペックが必要となる。

GOYOH代表取締役 伊藤幸彦
2006年NYで起業。超富裕層向けの高級物件を企画・販売。現在は不動産ESGテック『EaSy Go』にも力を注ぐ。

【特集 浪漫のある家】

TEXT=牛丸由紀子

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