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2021.02.05

「お金の両面思考」ABCash児玉隆洋

新型コロナウイルスにより、多くの人がお金について真剣に考えたはずだ。先行きが見えないなかで、今後どうお金と付き合い、増やしていけばいいのか。この連載では、お金のトレーニングスタジオ「ABCash」を運営する児玉隆洋氏が、コロナ後のお金と資産運用についてレクチャー。お金とは何か、投資とは何かを考える。アフターコロナのお金論17回目。

アフターコロナのお金論

携帯料金引き下げで株価が上がった企業

2020年、新型コロナウイルスの対応にも追われた安倍前首相が病気を理由に内閣総理大臣を退任し、それにより菅政権が誕生しました。菅氏は新型コロナウイルス流行前から、「携帯電話料金は4割引き下げる余地がある」と発言しており、携帯料金の引き下げに熱心なことで知られていました。新政権の誕生により携帯料金の引き下げが進んでいますが、それを「お金」という観点から考えると、何がみえてくるのでしょうか。

まずは、個人のお金である「家計」という観点からみてみます。

毎月携帯料金を支払っている方が多いと思いますので、携帯料金の引き下げは、大きな支出カットとなり、家計にとって大きなプラスとなります。各携帯キャリアの発表をちゃんと比較して検討するべきで、ここで注意したいのは、売り手側(今回の場合は携帯キャリア)と買い手側(わたしたち消費者)とで、経済的力学が全く一緒ではないこと、また情報リテラシーに格差があることを知っておいた方がいいと思います。そういう前提で事前に情報を調べて比較検討しておけば、先々で損したと後悔することが少なくなります。例えば、毎月3000円の節約だったとしても、1年間で3.6万円、10年間だと36万円の節約と、家計にとって大きな差となるのです。

それでは、お金のトレーニング。今回の携帯料金引き下げについて、個人の家計以外だとどういうお金の観点でみることができるでしょうか?

いくつかありますが例えば、「株式投資」というお金の観点があります。今回の政府の強い方針により、各携帯キャリアの株価がどう動いたのかということです。コロナ渦でも大手携帯3社については収益がほとんど下がりませんでしたが、今回の政府の携帯料金引き下げの方針により、株価は急落しました。

ただ実はそんな中で1社だけ、株価が反対にあがった携帯キャリアがあります。それでは続けてお金のトレーニング。その携帯キャリアはどこで、さらにその理由は何でしょうか?

答えは、NTTドコモ。まず携帯料金引き下げの方針が強く発表され、2020年8月末にNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクともに株価は急落しましたが、その約1ヶ月後にNTTドコモだけ株価が急上昇しました。その理由は、親会社であるNTTがTOBでNTTドコモの子会社化を発表したからです。子会社化することで設備投資などを共通化することができますのでコストが削減でき、収益向上が期待され株価が上昇したということです。そのTOBは無事成立し、2020年12月25日にNTTドコモは上場廃止となっています。

またNTTドコモの経営方針とは反対に、ソフトバンクグループは約2年前の2018年末、ソフトバンクを携帯会社として切り出して株式上場しています。これは経営方針の違いからです。ソフトバンクグループは「群戦略」として投資会社への転換に舵をきっており、No.1となれる企業候補に投資し、そこで得た利益をさらに投資に回すことで、永続的にNo.1企業を複数保有していく戦略をとっています。過去にはアリババ、Uber、Weworkなどに積極的に投資を行っています。

それではお金のトレーニング。ソフトバンクグループと似ている世界有数の投資会社として「バークシャー・ハサウェイ」がありますが、その代表は誰でしょうか?

答えは、世界一の投資家と言われる「ウォーレン・バフェット」です。世界の長者番付でもトップ10位に入っている彼の投資方針は、超長期によるバリュー投資と呼ばれるもので、将来の成長性から考えた適正価格よりも割安な銘柄を購入し、成長するまで長く保有し続けて、最終的に高く売却する投資手法です。

超長期を軸としてきたウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイですが、コロナ渦の2020年にはポートフォリオを大きく変え、多くの銘柄を売却や購入していたことは知っていましたか? 特に航空銘柄も売却しましたが、保有額が40億ドル近くあったので大きなインパクトを与えました。

コロナ渦中での携帯料金の引き下げ。政権交代による政府の方針が、個人の「家計」「資産形成」「投資」、企業の「経営方針」「財務」など、多くの観点に影響して相互作用していきます。今回の携帯料金のニュースに関わらず、物事を一側面からだけみて判断するのではなく、必ず違う側面からみて考える習慣をつけることで、お金の新しい気づきや発見があり、お金について自分で正しく判断できる力が身についていくのです。

お金について自分で考え、自分で判断できる力が、まだまだ不透明感の強いアフターコロナの世の中でますます求められていくと思います。

Takahiro Kodama
1983年宮崎県生まれ。大学卒業後、サイバーエージェントに入社。Amebaブログ事業部長、AbemaTV広告開発局長を歴任。2018年、海外に比べて遅れている日本の金融教育の必要性を強く感じ、株式会社ABCashTechnologiesを設立。代表取締役社長に就任。2019年、すごいベンチャー100受賞、スタートアップピッチファイナル金賞。趣味はサーフィン。

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