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2021.01.07

アフターコロナのお金論15「PL思考とBS思考」ABCash児玉隆洋

新型コロナウイルスにより、多くの人がお金について真剣に考えたはずだ。先行きが見えないなかで、今後どうお金と付き合い、増やしていけばいいのか。この連載では、お金のトレーニングスタジオ「ABCash」を運営する児玉隆洋氏が、コロナ後のお金と資産運用についてレクチャー。お金とは何か、投資とは何かを考える。

お金

年始の目標も、PL思考とBS思考で

コロナで世界中が未曾有の危機に直面した2020年が終わり、ニューノーマルな時代である2021年がはじまりました。新年は大きな節目ですので、今年こそは新しいことに挑戦したいと新年の目標を立てている方も多いのではないでしょうか。例えば、「仕事で成果をだして給与をアップする!」「デザインの副業を始めて副収入を得る!」「毎日自炊して節約する!」「健康維持のために毎朝ジョギングする!」など、様々な目標があると思います。その目標をファイナンスの観点から考えてみると、先行き不透明な時代だからこそ必要になるファイナンシャルリテラシーが身についてきます。

PLとBS。ビジネスシーンではよく使われますが、これはパーソナルファイナンスにも応用ができるのです。今回のテーマは、PL思考とBS思考です。

それではお金のトレーニング。冒頭に例としてあげた新年の目標。その中で、BS思考に分類される目標はどれでしょうか? PL思考はその場限りで資産にならないもの、BS思考は積み上がっていく資産、という考え方です。

答えは、「健康維持のために毎朝ジョギングする!」のみです。経営に近い役割で仕事をしている方だと特に直感的にわかると思いますが、健康的な身体を維持することは人的資産を築くことであり、BS思考です。冒頭の例だとジョギング以外の目標はすべてPL思考となります。

PLとBSの特徴として、PLは短期的でフロー型、BSは長期的でストック型であること。PLはProfit and Loss statementの略で、簡単にいうと売上と費用と利益です。企業が決算時に「増収増益でした!」と発表するニュースはPLについてのことです。次にBS、Balance Sheetの略で、企業のもっている資産(現金、土地、ソフトウェアなど)や借金のまとめのことで、財政状態を把握することができます。純資産が多ければ経営状態は良好であり、反対に純資産が少ないと経営はピンチということです。

ビジネスでもPL思考とBS思考は両方とも大事ですが、創業期はまずはPL特化型です。そしてPLに集中することで得た利益を資産を築く部分に投資して、徐々にBS型へとシフトしていき経営の安定基盤を構築していくのです。売上・費用・利益というPL部分から始まり、資産というBS部分へと拡大していくファイナンス思考ですが、これは個人の家計であるパーソナルファイナンスにも応用できます。

では、お金のトレーニングです。「今年こそ気になっていたNISAを始める!」「今年こそ無駄遣いをやめて節約する!」。この目標はPL思考とBS思考のどちらでしょうか?

まずはNISA。これは株式投資になり資産を築くものですので、BS思考になります。不動産投資、投資信託、預貯金なども同様に資産を築くストック型ですのでBS思考です。次に、無駄使いをやめて節約。これは短期的な費用削減のコントロールですのでPL思考です。企業の費用削減のコントロールの例をあげると、コピー枚数を減らして費用削減しようだったり、広告やCMを減らして費用削減しようというものになります。

続けてお金のトレーニング。「今年こそエンジニア転向するためにプログラミングスクールに通う!」はPL思考、BS思考、どちらでしょうか?

答えはBS思考です。自分のスキルを向上させるということは自己投資であり、自分に投資して人的資産を築いているということ。短期的にはスクールに通う時間や費用という先行投資が必要ですが、新しい能力を身につけられるので長期的に考えるとより大きな利益を自分にもたらしてくれる可能性があります。

企業で考えてみても、人材は資産ですので、長期的な人材への投資はBS思考になります。当社でも例えば、若手マネジメント育成制度、書籍での学習支援、人材投資会議という会社の制度を社員みんなでつくる会議がありますが、これは経営視点からみると短期的な売上・費用・利益のPL思考ではなく、長期的かつサステナブルに会社を成長させ続けるためにBS思考で時間や費用を投資しています。

PL思考は今が良いかどうか、BS思考は将来がより豊かになるかどうかという考え方の違いがあります。どちらも大事なのですが、ついつい薄れがちな長期的視野でのBS思考を忘れずに持つことが、自分の将来をより豊かにし、将来のお金の不安がなくなることでもっと挑戦できる人生を送ることができると思います。

コロナでまだまだ先行き不透明な時代だからこそ、その場限りではない長期的なBS思考を忘れてはならないのです。

Takahiro Kodama
1983年宮崎県生まれ。大学卒業後、サイバーエージェントに入社。Amebaブログ事業部長、AbemaTV広告開発局長を歴任。2018年、海外に比べて遅れている日本の金融教育の必要性を強く感じ、株式会社ABCashTechnologiesを設立。代表取締役社長に就任。’19年、すごいベンチャー100受賞、スタートアップピッチファイナル金賞。趣味はサーフィン。

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