35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。「人のEnglishを笑うな」第74回!
現実を否定したい時に使う「まじ、ありえないんですけど」は英語でなんていう?
先日、ぼーっとYou tubeを見ていたら、「自動販売機の商品だけ食べる」というチャレンジを東京でやっているアメリカ人の動画を見つけました。確かに食べ物の自販機もたまにあるので、うまく見つけていけば2日くらいは耐えられるかもしれません。
ユーチューバーは、「ホットドッグとフライドポテトの自販機がある」と聞きつけて、雨が降るなか、一生懸命その自販機を目指します。やっと辿りついた時、見つけたのは電気が消え「故障中」と書かれた自販機でした。
その時、彼は、泣きそうな顔でこう言いました。
This can’t be happening.
言い方があまりに面白かったので、このシーンを何回も再生してしまいました。
This can’t be happening. = こんなことって、ありえない。
信じられないくらい悪いことが起こっていて、唖然としているような時に使う表現です。
私たちが、ショックを受けた時に言う「まじ、ありえないんですけど」でしょう。
このユーチューバーは、「今まさに起こっていることが信じられない」ということで、進行形にして“be happening” としていますが、“This can’t happen”とも言えます。
先日、帰国してから初、約3年ぶりに新幹線に乗る機会があり、久々の乗車に「駅弁は絶対に焼売弁当を食べよう!」と数日前からわくわくしていました。「でも最近はもっと美味しい駅弁もあるかも」とネットで検索、いろいろ見た結果「やっぱり焼売弁当だ!」と口がすっかり焼売になったところで。
東京駅の売店で、「焼売弁当売り切れ」という張り紙を見た時に、あのユーチューバーの気持ちが一気に理解できて、初めて英語で独り言を言ってしまいました。
This can’t be happening.
激アツ! は英語でもほぼ同じ表現だった!
同じユーチューバーが、今度は「日本のファストフードとアメリカのファストフードを食べ比べる」という動画も作っていました。マクドナルドやスターバックスなど、世界中どこでも同じ味だと思っていたのですが、国にあわせてメニューが全然違うようです。
そのユーチューバーは、食べてみて美味しいと、しょっちゅうこう言っていました。
This is fire.
「美味しい」ということなんだと思ったのですが、調べてみるとスラングで“cool”とか“great”の意味だそうです。スラングの辞書「URbaN dictionary」ではこう説明されています。
Something that is really good, amazing, crazy(in a good way)
(すごくいい、驚くべき、いい意味で狂っているなにか。)
こんな風に使えるようです。
Your cooking is fire!(君の料理は最高だね!)
“fire”は最近になってよく言われているようなので、これはもう日本語でいう「激アツ」ではないでしょうか。実は「火」の絵文字も「最高!」と言いたい時に使われているそうです。そういえば何度かこの絵文字を使う人を見たことがありますが、「なぜ突然炎上?怒ってるのか?」「いや、俺は燃えてるってことか?」と少し混乱したことを思い出しました。絵文字なら、言語関係なく伝えられると思っていましたが、実は言語、文化にも密接に関係しているようです。
ご紹介したユーチューブチャンネルはこちらから見れます。日本語字幕がついていますが、設定ボタンを押せば英語字幕も出せるので、両方見ると勉強になるかと思います。
Illustration=Norio