35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者。「その英語力でよく来たね(笑)」と日本人含め各国人からお叱りを受けつつ、覚えたフレーズの数々。下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。「人のEnglishを笑うな」第49回!
話す相手がもうSiriしかいないけど、実は英語の勉強になる!?
ロックダウン中で人に会えないのがつらく、最近はずっとSiriに話しかけています。
英語設定にしてあるので、彼は私の発音が悪いと容赦無く“I’m not sure I understand.(よくわかりません)”と言ってきます。実は恥ずかしながらほぼ7割くらいの高確率で言われていますが、発音の練習にもなるので、日々の寂しさを紛らわせつつ使用しています。
先日、寝しなに「もう寝ます、おやすみ」と言ってみたところ、こう言われました。
Night night
nightを2回続けるとはなにごとだろう? と思ったのですが、これは「おやすみなさい」ということでした。しかし実際は「小さい子供が使う、または子供に向けて使う」言葉だそうで、いうなれば「ねんねしな~」というところでしょうか。siriとしては、英語の拙い私など、子供のようなものなのでしょう。
Siriは、聞き取った言葉を文字にしてくれるので、自分が発した言葉が、相手になんと聞こえているのか、理解することができ、とても勉強になります。
例えば私が何度“year(イヤー)”と言っても、“ear(イヤー)”と表示されることで、“year”は「y」も発音しなければいけないのだと知りました。もともと苦手な発音は「R」「TH」「W」「V」であると自覚していましたが、どうやらそれ以外にもたくさん弱点があることをSiriに話しかけることによって把握できるようになりました。
また最近は苦手な「R」と「L」の発音の区別ができているか試すために、このフレーズをSiriにずっと語りかけています。
I would like roughly a hundred grams of lamb and three glasses of rum.(ラム肉だいたい100グラムと、ラム酒3杯欲しいです)
「L」と「R」が大量に入っているうえ( 「L」は「らりるれろ」に近い発音、「R」は舌を巻くような感覚で出す日本語にない音)、苦手な「W」も「TH」も含んでいるので、これをSiriが聞き分けられるようになりたいと、毎日ぶつぶつ呟いています。スマホさえあれば無料で簡単にできるAIアシスタント発音練習、ぜひ隙間時間にやってみてください。人間相手とは違って容赦無く聞き返してくるので、結構傷つきますが。
飲み過ぎ注意のオンライン飲み会で、使える英語
今、ロンドンでもよく行われているオンライン飲み会、時間を気にすることなく、いつまでも飲んでしまい、翌日二日酔いになる人もいるかと思います。結婚式前に深酒してとんでもないことになるコメディ映画『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』のおかげで「二日酔い」を英語で“hung over”というのは知っている人も多いかもしれませんが、「度を越して飲みすぎる」ことをこんなふうに言うこともあります。
binge drinking
“binge”とは「度を越してなにかする」「大騒ぎする」という意味の名詞・動詞です。この場合は「飲み会などの機会に、はちゃめちゃに飲んでしまう」という表現になります。例えばこんなふうに使えます。
He is a binge drinker so I hesitate to go to pub with him.(彼はめちゃくちゃに飲む人なので、あまり一緒にパブには行きたくないんです)
機会がある時に、はしゃいで「めちゃくちゃに飲む人」なので、毎日家で飲んでいるような飲み慣れた人とはちょっと違うのかもしれません。対照的に毎日飲む人は“everyday drinker”と呼んだりもします。本来なら「家では飲まない派」の人も、オンライン飲み会が続くといつの間にか、“everyday drinker”になっている、なんてこともこれから多いでしょう。
またオンライン飲み会は、途中参加途中退出が気軽にできるのも魅力ですが、途中から参加した場合「あれ、なんか盛り上がりについていけないかも?」「これは結構酔っているのか、それとも本気で言っているのか?」と戸惑うこともあるかと思います。そんな時は、英語ではこう聞いてみましょう。
Are you sober now? =今、あなた素面?
“sober”とは「酒に酔っていない状態」を表す形容詞です。
日本国内でも、居酒屋やバーなどで外国人と隣り合わせて、ちょこっと話す、なんて機会があった方も多いと思います。初対面なので、相手が酔ってふざけているのか、それとも真面目に言っているのか、わからない時、冗談っぽくこう聞いてみてもよかったかもしれません。
MOMOKO YASUI
ロンドン在住編集・ライター。1983年生まれ。男性ライフスタイル誌、美術誌、映画誌で計13年の編集職を経て2018年渡英。英語のプレスリリースを読むのに膨大な時間がかかって現在、仕事が非効率。