今回はフェードボールについて。連載【吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン】。
正確性重視のフェードボール
ストレートにボールを打ち出し、若干右に曲がりながら落ちていく球筋をフェードという。
フェードボールはスピン量が多いため、狙った場所に正確にボールを止めたいプレーヤーに向いている球筋だ。アマチュアゴルファーのなかには、プロゴルファーのようなきれいなフェードボールを打ってみたいと思っている人も多いだろう。
フェードボールを打つコツは、体の回転にある。体を先行させて、クラブが少し遅れてインパクトをむかえることで、適切なフェースの向きでインパクトをすることができる。
PGAツアーでフェードを武器にしている選手の1人にサヒス・ティーガラがいる。ティーガラはカリフォルニアでインド出身の両親のもとに生まれ、ペパーダイン大学時代には大学トッププレーヤーに贈られるハスキンズ賞、ジャック・ニクラウス賞、ベン・ホーガン賞を独占した5人目の選手になるなど活躍し、2020年にプロ転向した。
翌年秋にPGAツアーに昇格してから優勝争いを繰り返し、2023年から始まったフェデックスカップ・フォールの初戦、フォーティネット選手権でツアー初優勝を飾り、来季の更なる活躍が期待されている。
ティーガラは練習場で、おへそが目標を向くくらい体を回転させながらシャドースイングを行う。このシャドースイングを何度も行い、動きを体に覚え込ませながら練習を行うことで、力強いフェードボールを打っている。
体の回転を先行させてクラブを遅らせる
今回はティーガラが取り入れているフェードボールを打つための練習方法を紹介しよう。
練習ドリルの具体的な方法は、右腰の高さくらいまで上げたクラブを、腰を回転させながらインパクトまで振るというシンプルなものだ。
このシャドースイングでは、インパクトでおへそは目標方向を向き、手元は若干ハンドファーストの状態になる。常に体の回転を先行させ、クラブはその動きに連動して少し遅れるように行ってほしい。体の向きやクラブの位置、フェースの向きを確認しながらシャドースイングを繰り返すといいだろう。
ティーガラは練習でシャドースイングを何度か繰り返した後にフルスイングでボールを打つが、アマチュアゴルファーの場合は、シャドースイングの後にハーフスイングでボールを打つと効果的だ。
クラブが地面と平行になるあたりまでフォロースルーを出してボールを打つことで、フェードボールを打つための体とクラブの動きをマスターすることができる。
ボールを打つ際の注意点は、フェースを返したり、ヘッドを先行させたりしないことだ。
常に体を回転させてクラブを振り抜き、フェースを閉じないようにすることが重要。体の回転が止まると、ボールが左に曲がる「逆球」になってしまうので気をつけてほしい。
体の回転を先行させるイメージをつかむことができれば、ボールは真っすぐ飛んだ後に少し右に曲がるきれいなフェードボールの軌道を描くはずだ。フェードボールの打ち方をマスターして、ショットの正確性を高めてほしい。
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■連載【吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン】とは
世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子によるゴルフレッスン。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。