今回は再現性を高める足ワッグルについて。連載【吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン】とは……
足を使ってリズムを取るパトリック・キャントレー
ショットが安定しないと悩むアマチュアゴルファーのなかには、「スイングのリズムが悪い」と言われた経験があるのではないだろうか。スイングのリズムは「1、2」や「1、2の3」で打つといいとか、はたまた「チャー・シュー・メーン」がいい、などと言われることがある。
だが、スイングリズムは人それぞれ異なるため、他人のリズムが自分に合っているとは限らない。それに、いざ「1、2」のリズムで打とうと思っても、「1」のタイミング、つまり始動のタイミングが分からないという人もいる。そうした人たちのために、今回は足を使ってリズムを取る方法を紹介したいと思う。
足を使ってリズムを取るといえば、PGAツアー選手のパトリック・キャントレーが有名だ。キャントレーはアドレスに入った後に、何度もその場で足踏みをするように足をパタパタと動かしてリズムを取り、そのリズムのままスイングをしている。この動きはティーショットだけでなく、アイアンショットやパッティングでも行っており、打つ前のルーティンになっている。私はこのような打つ前に行う足踏み動作を「足ワッグル」と呼んでいる。
この足ワッグルを行うメリットは、スイングをする前にリズムを取ることで、スイング中のリズムが良くなることに加え、スイングの始動のきっかけをつかみやすいことが挙げられる。足ワッグルをしてから、その流れで右足を踏み込んでからスイングを始動すれば、スムーズにバックスイングを上げることができる。
加えて、足ワッグルと同じリズムで切り返し時に左足を踏み込むことようにすると、手や腕に頼らずにリズムよくスイングをすることができる。足でリズムを取ることによって意識が下半身に向き、上半身の余分な力が抜けるのも大きなメリットだ。
足を使ってスイングリズムを良くしよう
スイングリズムを改善する際は、腰の高さくらいの小さな振り幅で練習するといいだろう。まずは、クラブを持ってアドレスをした状態で、足踏みをしながらリズムを取ってみよう。足ワッグルによって足を動かすことに慣れてきたら、足が動いてから上半身やクラブが動くことを意識しながら素振りをしてみてほしい。リズムには絶対的な正解はなく、人それぞれで構わないが、「1、2」などとリズムを口に出しながらスイングしてみるといいだろう。
小さなスイングでリズム良くスイングできるようになったら、徐々に振り幅を大きくしていく。今までスイング中にリズムを意識していなかった人は、フルスイングの際にリズムを意識してスイングすることが難しい場合がある。特にバックスイングで1、切り返しで2というリズムでスイングする場合、今までよりも切り返しのタイミングが速くなることがあるため、どのように打てばいいのか戸惑うことがあるかもしれない。
そのような場合は、スイングのテンポに気を付けてほしい。リズムがつかめても、テンポが速すぎると動きが間に合わないことがあるので注意が必要だ。それとは逆に、テンポが遅いとゆっくりクラブを動かすこととなり、地面反力やクラブの勢いを使えなくなり、手や腕に余分な力が入りやすくなるので気を付けたい。リズムとテンポの両方に気をつけることで、力が抜けたスムーズなスイングができるはずだ。
足ワッグルを取り入れることで、下半身から動き出すことができるようになるため、運動連鎖もよくなる。再現性の高いスイングを身に付けるためにも、しっかり下半身を使って自分に合ったリズムでスイングをしてほしい。
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連載【吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン】とは……
世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子によるゴルフレッスン。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。