「アプローチ&パターで20打縮める」をテーマに、鈴木愛らツアープロのコーチも行う達人・南秀樹のゴルフ術を披露する、連載「20打縮める! 南秀樹流ショートゲームレッスン」Vol.3。アプローチ編3回目は、スタンス。【過去の連載記事】
【南秀樹流アプローチ編3.スタンス】
アプローチに限ったことではありませんが打つ前の準備はそのショットの精度を左右する重要な部分です。そこで今回はスタンスについて説明します。
「踵のラインを目標とスクエアに合わせる」
アプローチのスタンスで多くの人が勘違いしているのが“オープンスタンス”です。左足を後ろに引いて構える人が多いですが、この構え方ではダフりやトップのミスが出やすくなるだけでなく、上手くボールにコンタクトできたとしても縦の距離感は合いにくくなります。
まず実践してもらいたいのはターゲットに対して左右の足をスクエアにセットして、真っ直ぐ振るアプローチです。「アプローチ=オープンスタンス」という考えを消して真っ直ぐに振ること。体験してもらうとわかると思いますが、ボールがフェースに乗る感覚が強くなるはずです。真っ直ぐ構えて、真っ直ぐ振る。これがアプローチにおけるスタンスの基本で、オープンスタンスはいわゆる応用編です。
では、なぜオープンスタンスで構えるように言われるのか。理由はヘッドの抜けを良くさせるためだったり、距離感を出しやすくなったりとさまざまですが、間違ったオープンスタンスでは全て逆効果になるということです。
正しいオープンスタンスは、つま先だけを開きます。ポイントは肩のラインも腰のラインもターゲットに対してスクエアにセットします。このとき、重要なのが両足の踵を結んだラインです。このラインをターゲットラインと並行に合わせることで、アプローチにおける方向性と距離感は格段に上がります。
間違ったオープンスタンスで構えている人の多くは、軌道がアウトサイドインのカット軌道です。また、入射角も鋭角になるのでスピンが入りすぎたり、入らなかったりして距離感もバラバラになりがち。カット軌道ではフェースにボールが乗る時間も短くなるので、当然距離感は合いにくくなります。
オープンスタンスを作るときは、まずはスクエアに構えてから両足の踵位置は固定したまま爪先だけを開く。肩や腰、踵など、ターゲットに対してできるだけ体のラインをスクエアにすることを心がけてください。
Hideki Minami
1974年香川県生まれ。プロゴルファーである父の影響でゴルフをはじめ、独自の理論を構築。道具(クラブ)を使うことを主とする指導法は高い評価を得ている。また、幼少の頃から鈴木愛プロを指導してきたことは有名な話で、今季から正式にコーチとして契約。木村彩子、岡山絵里ら多くのプロゴルファーをサポートしている。「南秀樹=パッティング」というイメージが強くついたが、実は最も得意とするのはアプローチだ。その技術力はジュニア時代から指導を受けてきた鈴木愛も認めるところ。「パッティングを含めたグリーン周りのショートゲーム力をアップさせることは、スコアアップの最短距離を辿ることになります。パッティングとアプローチの自信を深めることはショットに好影響を及ぼします。また、技術的にもアプローチはショットにつながるため、ゴルフスイングの基礎として正しい動きをマスターしておくべきなのです。そうすれば20打を縮めることも夢ではありません」。
【アプローチ編】
1:グリップの握り方
2:アドレス
3:スタンス
4:アプローチ名人の共通点(距離感の出し方)
5:正しいウェッジの選び方(ソールとバンスの関係性)
6:リズムとテンポの違い
7:状況別判断(クラブのチョイスの仕方)
8:状況別テクニック(ライ別の打ち方)
9:ラフからのアプローチ術
10:現代の主流は高さで止めるアプローチ