世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎。顧客の多くが国内外のエグゼクティブ、有名企業の経営者という彼による、スコアも所作も洗練させるための“技術”と“知識”を伝授する最新ゴルフレッスンコラムをまとめて振り返る。ゴルフシーズン到来に向け、コソ練を積み重ねてスコアアップを目指したい。
脱手打ち!ドライバーで真っ直ぐ飛ばすためのシャドースイングとは?
先日、90台でラウンドするという40代男性のAさんから「ドライバーショットでボールをまっすぐに飛ばすためにはどうすればいいですか? ラウンドで3回はドライバーショットでOBを打ってしまって、本当に毎回うんざりしています。効果的な練習はないですかね?」という切実な相談を受けた。Aさんは調子がいいときは、ドライバーでまっすぐ240ヤードほど飛ぶが、ボールが曲がり始めるとフックもスライスも出て手が付けられなくなるという。
Aさんのスイングを見てみると、ダウンスイングのクラブ軌道はインサイドから下りてきており、球筋もドロー系で一見すると良さそうなスイングに見える。しかし、バックスイングで腕の運動量が多く、トップの位置もオーバースイング気味のため、振り遅れればプッシュアウト、腕の振り戻しが強ければプルフックという具合に、腕を振るタイミング次第で右にも左にもボールが曲がってしまう。このようないわゆる「手打ち」の癖が、ゴルフ歴10年のAさんの体に染みこんでいたため、ボールを打つ練習では手打ちを解消するのは難しいと考え、敢えてボールを打たないシャドースイングをお薦めした。
シャドースイングはクラブを持たずにスイング動作を行う、場所を選ばずにできる練習方法だ。クラブを持ってしまうと、どうしても手や腕を意識してしまい、体全体を使った動きの意識がおろそかになってしまう。しかし、シャドースイングならクラブを持たないため、手先に意識が向くことがなく、余計な力も入らない。そして、体の動きに合わせて腕を動かすことで、体と腕の同調性を高め、腕の振りに頼らずにスイングする感覚を養うことができる。
Aさんのような腕の運動量が多くてボールが曲がる人や、オーバースイングの人にはぴったりな練習だ。体を回転させる感覚が身につかず、手や腕でクラブを振ってしまう人はシャドースイングに取り組んでほしい。
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練習場ではうまく打てるのに、ラウンドでは・・・を解決する2つの方法!
最近、私が主催をしているオンラインセミナーの参加者から「練習場シングルから抜けだすにはどうしたらいいでしょうか?」という質問があった。その方はゴルフ歴20年で、ベストスコアは70台後半というアマチュアゴルファーなのだが、いつも前日の練習場やラウンド前の練習では良い球を打っていて「今日こそは70台だ」と意気込んでコースに出るものの、本番のラウンドでは毎回思ったようなゴルフができないという。
いつも崩れるパターンは決まっていて、朝イチのショットからいきなり乱れ、気持ちを立て直せないまま前半のラウンドは40台後半のスコアに終わり、開き直った後半は持ち直して40といった具合で、いつまでたっても良いスコアが出ないのだという。「練習場とコースでのあまりの違いに、自分でも辟易してしまいます」と切実な悩みを吐露していたが、同じような悩みを抱えているアマチュアは多いのではないだろうか。
しかし、考えてみればコースで練習場のように打てないのは当たり前のことだ。練習場では平らなマットの上から打てるし、同じところから何球もボールを打てれば、そのうち調整してボールをまっすぐに飛ばすことができるようになる。しかし、何度も打てる練習場で上手くいっても、一度しかボールを打てないコースで上手くいくとは限らない。
ラウンド中のショットの精度を高めるには、大前提としてスイングの質や再現性を高めることが大事になるが、もう一つ大事なことはラウンドを想定した練習を行うことだ。練習場でコースを想定して、1度しかボールを打てないという緊張感の中で一球に集中して打つ練習を行うことで本番でも実力を発揮しやすくなる。
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原因は当てに行くインパクト!? スランプに陥ったときの対処法
先日、主催しているオンラインセミナーに、女性ゴルファーAさんからの相談が来ていた。
「今まで70台後半のスコアを出したことがあるのですが、最近はドライバーを振り切ることができなくなって飛距離が落ち、アプローチでもミスが続いて、スコアは100を切るのがやっとの状態です」
Aさんはいつのまにか調子が悪くなり、不調の原因がわからず悩み続けているという。
彼女のスイングを直接見たわけではないので不調の原因は特定できないが、似たようなスランプのケースは多く存在する。徐々に不調になる人は、ラウンド中に何とかボールをまっすぐ飛ばそうと試行錯誤した結果、知らない間にスイングが狂っていく傾向がある。その時の調子によってスイングを微調整することは大事なことなのだが、いつの間にかその場をしのぐための「ごまかしスイング」を繰り返し、意図しない動きが定着してしまうことで本来のスイングを見失ってしまうのだ。
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