スーツにおいてここ数年続くクラシック回帰だが、正しくはクラシックの再解釈だ。事実、その仕立ては実にやわらかく、かつての原則に従った構築的でストイックなスーツとはまた違う。英国の名門革製品ブランドも、そんな時代に合わせて舵を切った。
バック トゥ オフィスによるスーツ回帰は、どこに向かうのか
1750年に創業したスウェイン ロンドン。2023年末のリブランディングにより、スウェイン&アドニーから名を変更した。スウェインといえば、ジェームズ・ボンドが愛用したアタッシェケースが有名。まさに正統派英国クラシックといった重厚感に溢れる名作だが、それが現代の英国クラシックへと生まれ変わったのだ。
革は軽さを求め、内装はアルカンターラに、かつてサドルステッチで用いた太糸は細糸へ変更された。見れば、コーナーもエッジが立ちシャープな印象に。ロイヤルワラントを賜る名門による、クラシックの再解釈。そこに、昨今のスーツ回帰の行く末を見た。
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