精力的に、ときに無我夢中に仕事を楽しんでいる男たちは、クルマとファッション、時計も愛で愉しんでいるもの。乗り継いできたフェラーリは14台。医師・藤本幸弘氏のスーパーカーライフとは。
クリニックF院長・藤本幸弘氏「フェラーリ 812スーパーファスト」
「あらゆるものの価値は、それを獲得するための苦労と困難である」(アダム・スミス)
フェラーリ 812スーパーファストから颯爽と降り立った藤本幸弘さん。ルイ・ヴィトンの春らしいライトブルーのスーツとタイが朝の斜光を受けて、その場がパッと明るくなった。
「初めて買ったフェラーリはF355。以来14台を乗り継いできました。最近はV12とV8エンジンの2台持ち、用途と気分で乗り分けています。同じ跳ね馬でも12気筒と8気筒、それぞれの楽しみ方があるんです」
ランボルギーニ カウンタックLP500Sもガレージに住まわせているという藤本さんは博士号を3つ持ち、レーザーに特化したアンチエイジング・クリニックの院長、実業家として多忙な日々を過ごす。そんなタフガイにとって、スーパーカーはどんな存在なのだろうか。
「乗ると情熱的な気持ちになり、テストステロン値が間違いなく上がります。決断力と行動力が増し、仕事にも前向きになります」
フェラーリのドライビングスクール「ピロタ・フェラーリ」をイタリアのモンツァで修了し、国際C級ライセンスを持つ。国内外のサーキットを頻繁にフェラーリで走る。そうして高い行動力、難局での判断力を高く保つという。最近は、投資案件のコンサルティングファームやスイング理論を数式化し、科学的に飛距離を伸ばすゴルフスクールの経営も開始。古典派経済学の祖、アダム・スミスの“あらゆるものの価値は、それを獲得するための苦労と困難である”という言葉が座右の銘だ。
藤本さんは時計愛好家でもある。この日つけていたのはパテック フィリップのセレスティアル。天文表示機構を備えた希少な超複雑時計だ。同ブランドのノーチラスは4本愛用。ロレックスはデイトナを10本以上、スカイドゥエラーを3本所有。
「ビジネスの際はノーチラス、ヘリに乗る時はスカイドゥエラー、クルマを運転するときはデイトナです」
8月には「コーンズ芝」で購入したハイブリッドのSF90ストラダーレが、12月にはF8スパイダーが納車予定だ。最新馬を駆る医師の決断力と仕事力はますます高まるに違いない。
Takahiro Fujimoto
1970年生まれ。東京・半蔵門のアンチエイジング・レーザークリニック「クリニックF」院長。医学、工学、薬学の博士号とMBA(経営学修士)を持つ。クルマや時計のほかクラシック音楽、オペラもこよなく愛する。