日本の伝統工芸品に改めて注目が集まっている。若い職人による柔軟な発想によって進化した伝統が未来に紡がれてゆく一方、古来の伝統をそのまま継承した工芸品への関心も増している。後者においては国内だけでなく海外からの引き合いも多く、海外旅行客の増加とともに驚くほど高額な工芸品が数多く売れているようだ。今回紹介する屏風こそ、まさしくそんな逸品。
今こそ伝統を直視してみる絶好のタイミング
名は「南蛮人渡来図屏風」。ポルトガル船が日本に上陸した場面を描いたもので、日工会理事も務める漆作家の村田好謙氏により漆や蒔絵が贅沢にあしらわれたとあり、国宝的な佇まいだ。
木地製作から完成まで4年もの歳月をかけた、まさに力作であり傑作。価格はなんと4千万円越え。驚きだが、これより高額な屏風が先日売れたばかりとか。
漆は100年単位で固着するので、真の完成は随分と先になる。100年先の人も愛でることができる作品を購入する。実にロマンティックではないだろうか。
Ginza Matsuso
この屏風の製作を企画した松創の銀座サロンでは、伝統工芸品の数々を見ることができる。曰く「美術館に足を運ぶ気分で、気軽にお越しください」とのことだ。
住所:中央区銀座4-8-4 三原ビル4F
TEL:0847-45-3621