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2021.01.23

六本木がアートの街として、世界のアートファンに注目されるワケ

森ビルマップ

“文化の街”を築く壮大な試み

経済や政治の街はあるが、文化の中心がない東京に新たな文化都心をつくりあげたい。そんな構想のもと、2003年に誕生した六本木ヒルズ。そのシンボルである森タワー最上層部には、現代アートを中心にエッジの効いた展覧会を開催する森美術館が開館した。’07年には国立新美術館と新しいサントリー美術館がオープン。3つの美術館は連携を図り、地域をあげて“アートの街”として世界に向けた六本木の情報発信に取り組むことになった。

「3館で『六本木アート・トライアングル』を結成し、さまざまな取り組みを行ってきました。そして’09年には東京都などが主催に加わっている一夜限りのアートの祭典『六本木アートナイト』がスタート。3館も実行委員会に加わっていて、来年11回目を迎えます」と、六本木アートナイト実行委員会事務局長の三戸和仁氏は言う。

どうしてアート鑑賞の舞台に夜を選んだのか? そもそも六本木の夜のイメージは、決していいとはいえなかった。

「アートナイトによって六本木に、健全なナイトカルチャーを根づかせたい。街の安心感を高めて、訪れる人の増加や消費の喚起に結びつけていけたら」

ピラミデビル

ルーヴル美術館を彷彿とさせるガラスのピラミッドが印象的なピラミデビル。現在7店のギャラリーが入っている。2017年には世界的な名門ギャラリー「ペロタン」の東京支店(写真)が登場。ギャラリーの空間設計は建築家アンドレ・フーが担当した。

六本木アートナイトをはじめとしたアート拠点化構想が成功しているか否かは、ギャラリーの動向を見れば明白だ。かつて現代アートを扱うギャラリー街として、江東区の清澄白河が知られていたが、人気ギャラリーが続々と六本木へ移転している。

ギャラリー街の中心地になっているのが、森ビルが運営するふたつのビルだ。ピラミデビルにはペロタン東京、オオタファインアーツ、ワコウ・ワークス・オブ・アートなどの有名ギャラリーが集結。complex665には小山登美夫ギャラリー、タカ・イシイギャラリー、シュウゴアーツが入居している。

「森美術館にはじまり、アートナイトなどの取り組みによって、六本木が東京のアートの拠点になったと評価いただけた結果だと思います」

コロナの影響を受け、今年のアートナイトは中止になった。

「残念な結果でしたが、こうした活動は継続していくことが何よりも重要。来年2月にスピンオフ企画として開催予定です。密を避けるために期間を長く設定し、今までにない新しいコンテンツを打ちだしていきます」

世界のアートファンが注目するROPPONGI。アートの街・六本木は今後さらに進化していく。

 

六本木アートナイトの歩み

2009年からスタートした一夜限りのアートの饗宴。六本木を新たな芸術都市にする取り組みのひとつ。

2009. 第1回「出会い」

テーマ「出会い」。延べ鑑賞者人数 約55万人

2011. 開催中止

東日本大震災による状況を考慮し開催中止。

2012. 第3回「アートでつくろう、日本の元気」

文化庁助成事業へ。テーマ「アートでつくろう、日本の元気」。延べ鑑賞者人数 約70万人。

2016. 第7回「六本木、アートのプレイグラウンド ~回る、走る、やってみる。~」

港区が主催に加わる。テーマ「六本木、アートのプレイグラウンド ~回る、走る、やってみる。~」。延べ鑑賞者人数 約63万人。

2018. 第9回「街はアートの夢を見る」

文化庁「国際文化芸術発信拠点形成事業」へ。テーマ「街はアートの夢を見る」。延べ鑑賞者人数 約76万人。

2020. 開催中止

新型コロナウイルスの影響で開催中止。

 

Policy of 森ビル

1.美術館同士が一丸となり、アートと街の魅力を発信

2.六本木アートナイトをはじめ、イベントを継続的に行う

3.商店街やギャラリーを巻きこんで、アートの複合体をつくる

 

Kazuhito Mito

Kazuhito Mito
1964年埼玉県生まれ。慶應義塾大学卒業後、’88年に森ビル入社。上海秀仕観光会務有限公司総経理などを経て、現在、森美術館営業企画・運営グループ課長/六本木アートナイト事務局長を務める。

 

Illustraition=尾黒健二

TEXT=川岸 徹

PHOTOGRAPH=古谷利幸

COOPERATION=六本木アート・トライアングル「あとろマップ」

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