2023年4月、カリフォルニアからユニークな出自のワインブランドが日本上陸を果たした。その名も「Xander Soren Wines」という。
日本⻝とのペアリングを想定し、10年間にわたり開発
「Xander Soren Wines」は、世界初となる、⽇本食を引き立たせるために造られたカリフォルニアワインだ。
日本食の様々な食材と組み合わせることができる汎用性の高さと、寿司や出汁にも合わせられるほどの繊細さを併せ持つことから、使用するブドウはピノ・ノワールのみという徹底ぶりである。
「Xander Soren Wines」は、旧世界のエレガントなワイン醸造スタイルを採用し、アルコールやオークの風味を極力抑えることで、日本食の繊細な味わいに寄り添うスタイルを追求。パワフルでフルーティなイメージが強いカリフォルニアワインだが、「Xander Soren Wines」のそれは、透明感とエレガンスを感じさせるものだ。
「Xander Soren Wines」を手がけるザンダー・ソーレン氏は、21年間、Apple社の幹部として、初期の iTunesとiPod、世界で最もポピュラーな音楽制作ソフトウェアGarageBandといった歴史に残る製品の開発に携わった人物。まさにスティーブ・ジョブズが新製品で社会にイノベーションを起こした、本人曰く「魔法のような時間」をAppleで過ごしたという。
2022 年後半に Appleを退職し、今、その情熱を注いでいるのがワインプロデュース業。ではなぜ日本食とのペアリングに特化したワインなのか?と言えば、それは、ソーレン氏が大の⽇本贔屓であるからに他ならない。
幼少期から日本のカルチャーに夢中になり、2002年に初来日した以降、南は福岡から北は秋田まで少なくとも40回は訪れているというソーレン氏。カジュアルな居酒屋料理から割烹料理、ざるそば、漬物など様々な⽇本の料理を味わい、日本食の地域性も理解するほど造詣を深めるなかで、⽇本では和食に日本酒だけでなく、フランスワイン(特にブルゴーニュの白赤、そしてシャンパーニュ)を合わせることもあると知ったのが、アイディアの発端だったという。
カリフォルニアの象徴的なブドウ畑のブドウを使って、日本の文化と料理に敬意を表せるワインを造る。ソーレン氏にとってそれは、とても自然な流れだったに違いない。
2012年にごく少量のテスト生産から始め、「カイゼン(改善)」の哲学の下で、⽇本のシェフやソムリエ、ワイン愛好家からのフィードバックを集め、静かにワイン造りを行ってきたソーレン氏。そして2023年4月、10年以上の歳月をかけて、ようやく、初ヴィンテージとなる2019年ヴィンテージのリリースに至ったのである。
去る4月3日にパークハイアット東京でお披露目をし、その後、4月中旬よりレストランやホテルへのワイン販売を開始。5銘柄がラインナップされるが、そのどれもが100ケースにも満たない少数生産となる。11月には「楽しくてカジュアル」な新しいワインもリリース予定というから、その続報を待ちたい。
問い合わせ
Xander Soren Wines https://xandersorenwines.com/