都心では近頃"美味しい肉を少しずつ"楽しめる肉割烹が増加中。季節感やサプライズをちりばめたコースは変化に富んで飽きることなく、身も心も元気になれる。今回は恵比寿の新店を紹介。
![井乃新](https://goetheweb.jp/wp-content/uploads/2022/07/95b1e84ed2dfb29def1002b803dc4314.jpg)
「和牛フィレ肉 炭火焼サマートリュフ」(料理は6 月のコース¥18,000のコースの一例)。ソースは濃厚ながら後味すっきり。ワイン中心のペアリングは¥7,000。
ジャンルを超えて旨み成分を掛け算
恵比寿駅前の新築ビルにオープンした「井乃新」は、京都発の焼肉店「天壇」が手がける肉割烹。半世紀以上牛肉を扱ってきた焼肉の名店がフレンチ出身のシェフを迎えて提供するのは、牛肉をはじめ、仔羊や鶏、豚などのさまざまな肉を使ったおまかせのコースだ。
![井乃新](https://goetheweb.jp/wp-content/uploads/2022/07/809b3f08744b6cbb40cefaed60eeb9f9.jpg)
「フランス産仔羊のクラシタ 大葉味噌 アサリ 初夏野菜」。仔羊のクラシタ(肩ロース)で大葉味噌を巻き、網脂で包んでアロゼしたひと品。
店名は肉の旨み成分である「イノシン酸」とイノベーションを掛け合わせたもので、料理の発想はまさにイノベーティブ。シェフはジャンルにはこだわらず、「旨み成分を2種類以上使うことで生まれる掛け算」を意識しているという。例えば6月のコースのひと品目は、水キムチのグルタミン酸とミル貝のコハク酸の相乗効果を狙ったもの。
![井乃新](https://goetheweb.jp/wp-content/uploads/2022/07/49245a4a920659de5fa17138b81d86d0.jpg)
すっきり爽やかな「水キムチ 白菜 大根 ミル貝」。
メインの和牛フィレ肉の炭火焼きのソースは、赤ワインとフォンドボー、チキンブイヨン、どんこ出汁を醤油麹でつないでいる。深い旨みがありながらもすっきりした味わいなのは、旨み成分のバランスを計算しているため。シェフによるとしいたけの旨みはアタックが強いため、旨みの割合が多いとバランスを崩しやすいのだとか。
月替わりのコースは約10品。変化に富んだワインペアリングとともに、趣向を凝らした軽やかな肉料理を楽しみたい。
![井乃新](https://goetheweb.jp/wp-content/uploads/2022/07/e9530e7c0937f7e4d40441d6e4683298.jpg)
シェフの長岡真吾氏。フランスで1年間研鑽を積み、帰国後は都内の星つきレストランで技術と知識を磨いた。
![井乃新](https://goetheweb.jp/wp-content/uploads/2022/07/15b42c367bf405f691243bf1590fe56c-1.jpg)
大きなカウンターは客席と調理スペースがフルフラット。目の前でできあがった料理が間を置かずに出される。
肉割烹 井乃新
住所:東京都渋谷区恵比寿1-10-7 T.I.B恵比寿6F
TEL:03-5792-5815
営業時間:17:00~20:00最終入店
※ランチは8月頃開始予定
定休日:月曜 席カウンター12席、個室2室
料金:ディナーコース¥18,000~(完全予約制)